【数字の罠】「人は見たいようにしか数字を見ない」──意思決定を狂わせる“経営バイアス”とその処方箋

【数字の罠】「人は見たいようにしか数字を見ない」──意思決定を狂わせる“経営バイアス”とその処方箋

【数字の罠】「人は見たいようにしか数字を見ない」──意思決定を狂わせる“経営バイアス”とその処方箋

この記事は約8分で読めます。

早速!この記事の要約・ポイント
  1. 経営者が陥りやすい“数字バイアス”4タイプを解説
  2. バイアスが招く典型的な判断ミスと損失シナリオ
  3. バイアスを無効化する3つの実践フレームワーク
  4. 社外CFOが“数字の鏡”となり意思決定を正す方法
  5. 読後すぐ使える「バイアスチェックリスト10」付き

大口融資調達のご相談はお任せください!

ご相談ください

私たちは、1,000万円以上〜最大100億円規模の大口融資調達の豊富なノウハウを持っており、元銀行員の視点から、銀行との交渉や書類作成を徹底的にサポートします。

特に、大口融資の調達においては、細かな計画や銀行への信頼性のアピールが不可欠です。

当社では、銀行融資審査のプロフェッショナルが、企業の財務状況や事業計画をしっかりと分析し、最適な形で銀行へアプローチするお手伝いをいたします。

大口融資を成功させるためのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

導入──その数字、本当に客観的ですか?

銀行融資の「裏技」とは?見えない信頼づくりが実はカギ

「売上は伸びている。だからこの投資は安全だ」

こんな言葉を、私は銀行員時代に何度となく耳にしました。

しかし決算書をめくると、粗利率は低下し在庫回転も悪化。 結局その案件は、投資過剰による資金ショートで頓挫しました。

原因は単純。

「見たい数字だけを見て、都合の悪い数字を無視した」からです。

これこそが、本記事で扱う“経営バイアス”の正体──数字を読み違える心のクセです。

数字を歪める4大バイアス

銀行担当者や支店長の“頭の中”を可視化できていますか?

希望的観測バイアス(Optimism Bias)

  • 特徴: 良い情報を過大評価し、悪い情報を過小評価する
  • 典型例: 売上予測を“前年+α”で楽観的に設定しがち

正常性バイアス(Normalcy Bias)

  • 特徴: 現在の延長線でしか未来を想像できない
  • 典型例: コスト増や市場変化を「そのうち戻る」と軽視

利用可能性バイアス(Availability Bias)

  • 特徴: 思い出しやすい情報=正しいと錯覚する
  • 典型例: 直近のヒット商品だけを根拠に事業拡大を決断

サンクコストバイアス(Sunk‑Cost Bias)

  • 特徴: 既に投下したコストが判断を縛る
  • 典型例: 赤字プロジェクトを「ここまで来たから」と止められない

バイアスが招く“判断ミス”シナリオ

税理士やコンサルに任せきりで大丈夫?助言の質が資金調達を左右する
バイアス起こりがちな判断ミス財務インパクト
希望的観測過大な売上計画で設備投資→資金繰り悪化運転資金不足、追加借入コスト増
正常性インフレや金利上昇を軽視→返済負担増金利負担増、PL圧迫
利用可能性単一顧客への依存拡大→取引停止で急落売上欠損、固定費負担増
サンクコスト撤退遅れ→損失拡大キャッシュアウト継続、機会損失

※損失を最小化するカギは「早めの軌道修正」──その判断基準が社外CFOの提供価値でもあります。

バイアスを無効化する3つの実践フレームワーク

節税&大口融資の両立を図るためのポイント

01|“二段階シナリオ”シミュレーション

  • Base(現実的)シナリオ:
    保守的な前提でPL・CFを試算
  • Stress(悲観)シナリオ:
    売上▲20%・コスト+10%でも持つか?

ポイントは「先に悲観シナリオを作り、耐性を測る」こと。

02|“外部ディベート”ミーティング

  • 社外CFOや外部アドバイザーに「反論役」を依頼
  • 社長の仮説をわざと崩す質問を投げ、思考の盲点を露出

03|“データ三点照合”ルール

  • 会計データ(過去) × 管理会計(現在) × KPI先行指標(未来)
  • 3面から数字を突き合わせ、一致しない場合はバイアス警報

参考記事:【徹底解説】銀行融資に特化した社外CFOサービスとは?メリットと導入の流れ

今日から使える「バイアスチェックリスト10」

  1. 売上計画は最低でも3通り作ったか?
  2. 固定費の増加要因を最悪ケースで見積もったか?
  3. “直近の成功”だけを根拠に拡大を決めていないか?
  4. 単一顧客の売上比率が50%を超えていないか?
  5. 金利1%上昇時の返済負担を試算したか?
  6. 既投下コストに引っ張られて意思決定していないか?
  7. 外部専門家に”数字の突っ込み”を依頼したか?
  8. KPI先行指標(受注残、リード数等)で将来CFをモニタリングしているか?
  9. ストレスシナリオでも6ヶ月以上の手元資金を確保できるか?
  10. 毎月、経営陣で“数字ディベート”を実施しているか?

まとめ──“数字に恋するな、数字を愛せ”

恋は盲目、愛は客観。

数字に恋してしまうと、見たいものしか見えません。

しかし数字を“愛する”とは、ありのままを受け止めること。
そこに冷静な他者の視点があれば、経営判断は劇的に洗練されます。

バイアスなき意思決定を手に入れたい経営者へ

ホンマル株式会社の社外CFOサービスは、

  • 毎月の財務レビューとバイアス診断
  • ストレスシナリオCFモデルの構築
  • 銀行・投資家との最適交渉

をワンストップで提供します。

「情熱と客観」を両立させる──その最短ルートは、数字のプロを隣に置くこと。

お問い合わせはこちら

この記事を書いた人

favicon

代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。