【完全ガイド】融資の借り換え(肩代わり)で損しない方法|元銀行員が教える成功のコツと注意点
とは?メインバンク変更のリスクや銀行の本音を踏まえた専門家視点の解説.png)
こんにちは。
ホンマル株式会社の代表・村松です。
この記事は約7分で読めます。
- 「金利が高い…そろそろ他行に借り換えた方が得なのでは?」
- 「今の担当者とどうしても合わない…。メインバンクを変えたい」
- 「別の銀行から“肩代わりしますよ”と言われているが、本当に飛びついて大丈夫?」
そんなとき、経営者の頭に浮かぶのが「融資の借り換え(肩代わり)」です。
銀行の世界では、他行の融資を引き受けて完済することを「肩代わり」と呼びます。
一見すると「金利が下がるオトクな話」に見えますが、その裏では
- メインバンクとの関係悪化
- 今後の追加融資が受けにくくなるリスク
など、経営に長く尾を引く「副作用」が潜んでいます。
私自身、銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査を担当し、現在は「ホンマル株式会社」として中小企業の大口融資・借り換えのサポートも行っています。
この記事では、
- 融資借り換え(肩代わり)の正しい仕組み
- メリット・デメリット
- メインバンク変更に伴う本当のリスク
- 実務の流れと注意点
を、銀行の本音も交えながら解説します。
読み進めながら「自社は借り換えしてもよさそうか?危険信号はないか?」の目安がつくようにしています。
ただし、最終的な結論は「数字」と「銀行との関係性」によって大きく変わります。
この記事で整理したうえで、「決める前に一度プロに確認する」くらいの感覚で読んでいただけると安心です。
- 融資の借り換え(肩代わり)とは?
ある銀行の融資を別の銀行の融資で完済する行為。銀行内部では「肩代わり」「案件を奪った/奪われた」と表現され、メンツとプライドが強く絡む行為です。 - なぜ経営者は借り換えを考えるのか?
高金利・対応の遅さ・追加担保要求・担当者への不満などから、「この銀行と付き合い続けて本当に大丈夫か?」という不信感が溜まったときに、肩代わり話が持ち上がります。 - 肩代わりのメリット・デメリット
金利負担の軽減や条件改善などのメリットがある一方で、メインバンクとの関係悪化・違約金・将来の追加融資リスクといった見えにくいデメリットも大きいテーマです。 - メインバンク変更は「資金調達の歴史」をリセットする行為
目先の金利が下がっても、数年後に苦しくなったときに「誰が最後まで味方でいてくれるのか」が変わってしまう可能性があります。 - “やっていい借り換え”と“危険な借り換え”がある
金利差・違約金・将来の投資計画・銀行との関係性など、定量+定性の両面から冷静にシミュレーションすることが不可欠です。 - 自社だけで判断するのが不安なら、専門家に一度「セカンドオピニオン」を
感情的な不満だけで動いてしまう前に、元銀行審査官のような第三者に一度相談することで「後悔しない選択」がしやすくなります。
今まさに「肩代わり提案」が来ている方へ(無料セカンドオピニオンのご案内)
すでに別の銀行から、
「今よりかなり良い条件で肩代わりできますよ」
という提案を受けているものの、
- この条件に乗って本当に大丈夫か?
- メインバンクとの関係を壊してまでやるべきか?
- 借り換えしない場合の選択肢はないのか?
とモヤモヤしている方も多いはずです。
ホンマル株式会社では、元銀行本部審査の立場から、
- 現在提示されている条件が妥当かどうか
- 借り換えをする/しない場合の損得(違約金を含む)
- メインバンク変更以外に取りうる選択肢がないか
を“数字+銀行の本音”の両面から整理し、経営者の判断材料をご提供します。
初回のオンライン相談(60分目安)は無料です。
「迷っている段階」で一度ご相談いただくほうが、取れる選択肢は確実に増えます。
※融資全般の考え方や最新情報をゆるくキャッチアップしたい方には、メルマガでも情報発信をしています。
「融資借り換え(=肩代わり)」とは?銀行内部での意味
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融資肩代わりとは、A銀行の既存融資を、B銀行の新規融資で一括返済することを指します。
- A銀行:これまでメインで付き合ってきた銀行
- B銀行:サブバンク/新しく営業に来た銀行 など
表向きは「借り換えで金利を下げましょう」という綺麗な話に聞こえますが、銀行内部ではかなりストレートに、
- 「案件を奪った」
- 「融資を持っていかれた」
と表現されます。
銀行側の本音
- 提案する側(B銀行)
- 新規の融資残高がドンと増える
- 担当者・支店長は「実績が上がる」ので積極的に営業
- 奪われる側(A銀行)
- 貸出残高が減り、評価が下がる
- 「取引先を守れなかった」と見なされ、内部的な責任問題になることも
そのため、肩代わりは銀行同士のプライドがぶつかるテーマです。
そしてその真ん中にいるのが、経営者=あなたです。
肩代わりは「金利」だけでなく、「人間関係と信頼のマネジメント」がセットのテーマだと覚えておいてください。
参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
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なぜ融資借り換え(肩代わり)が起きるのか─ メインバンクへの不満・怒り・不信感

企業が借り換えを検討する背景には、たいていメインバンクへの強い不満があります。
よくあるのは、こんなケースです。
- 融資相談に対して、いつまでも返事が来ない(放置されている感覚)
- 業績が改善しているのに、金利を全く下げてくれない
- 担当者が横柄・上から目線で、話を聞いてくれない
- ことあるごとに「追加担保」「代表者保証」を求めてくる
- 「うちでは難しいですね」と、新規融資に全く前向きでない
こうした不満が溜まったタイミングで、別の銀行から、
「金利も期間も、今よりかなり良い条件で肩代わりできますよ」
という提案が入ると、経営者の心は一気に揺れます。
また、「代替わり」のタイミングで、
- 先代との“情”や“歴史”を一旦リセットしたい
- 自分の代で、新しい銀行との付き合い方をつくりたい
という理由から、メインバンク変更を含む借り換えに踏み切るケースも少なくありません。
参考記事:注意!悪徳コンサルに惑わされない融資・資金調達コンサル会社の選び方
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融資借り換え(肩代わり)のメリット・デメリット

メリット
- 金利負担の軽減
高金利の融資を、より低い金利の融資に切り替えることで、
- 毎月の利息負担の軽減
- 総返済額の圧縮
につながる可能性があります。
- 返済条件の柔軟化
新しい銀行は案件獲得のために、
- 返済期間の延長
- 一定期間の元金据え置き
- 複数借入の一本化
など、資金繰りが楽になる条件を提案してくることがあります。
- 追加の資金調達ができることも
肩代わりと一緒に
- 新しい運転資金枠の設定
- 設備資金の上乗せ
などを提案されるケースもあり、短期的な資金繰りにはプラスに働くことがあります。
デメリット
- メインバンクとの関係悪化
既存銀行からすると、
「長年支えてきた取引先を、別の銀行に持っていかれた」
という感覚になります。
結果として、
- 将来、業績が悪化したときに支援を受けにくくなる
- 協調融資の場面で協力してもらえない
といったリスクが生じます。
- 中途返済による違約金・手数料
借入条件によっては、
- 繰上げ返済手数料
- 中途解約違約金
が発生します。
これを考慮せずに「金利が下がるからお得」と判断してしまうと、「トータルでは得になっていなかった…」ということも。
- “条件の良さ”は担当者の人事異動で変わる
今、積極的な提案をしてくれている担当者も、数年後には異動している可能性があります。
- 「あのときは頑張ってくれた担当者がいたから通った話」
- 「支店長が変わった瞬間、空気がガラッと変わった」
といったことは、銀行の現場では日常茶飯事です。
目先の条件だけでなく、「5年後・10年後も付き合える銀行か?」という視点が重要です。
参考記事:資金調達(=融資)代行業者をお探しなら|大口融資調達サポートへご相談ください!
メインバンク変更を伴う融資借り換え(肩代わり)のリスク

融資肩代わりの中でも、特に「メインバンクそのものを変える」ケースは、企業にとって非常に大きなターニングポイントになります。
メインバンクを変えるほどの決断に至る背景には、並々ならぬ経営者の覚悟や怒りがあるものの、その一方でリスクも無視できません。
なぜかというと、メインバンクとは
- 良い時も悪い時も付き合ってきた“資金調達の歴史”
- 経営者や幹部の人柄まで含めて理解してくれている「関係資産」
を共有している存在だからです。
メインバンクを変更するときに失われるもの
- 過去の苦しい時期を支えてくれた“信用の積み上げ”
- 経営状況のクセ・季節性を理解してくれている安心感
- 将来の大型投資の際、「まず相談できる銀行」という立場
これらを一度手放してしまうと、新しい銀行とゼロから関係をつくり直す必要があります。
「金利が0.2%下がる代わりに、10年分の関係資産を捨ててしまっても良いか?」
そこまで冷静に考えられるかどうかがポイントです。
参考記事:銀行員が突然の飛び込み営業!その融資提案、信用して大丈夫?
融資借り換え(肩代わり)の実務手順と注意点

では、融資肩代わりを実行する際、具体的にどのようなステップを踏めばよいのでしょうか。
注意点もあわせて解説します。
1. 新しい銀行と“静かに”打ち合わせ
メインバンクへの事前相談は、肩代わりを警戒され、条件変更を阻止される恐れがあるため、基本的に事前には伝えません。
- 新しい銀行(サブバンク等)の担当者と綿密に打ち合わせ
- 「社内稟議が現実的に通りそうか」を確認
- 返済期間・金利・担保・保証の条件を仮決め
2. 既存借入の契約内容を確認(違約金・担保条件など)
既存の融資契約書に、
- 中途返済違約金の有無・計算方法
- 担保の設定内容
- 根抵当権の極度額・共同担保の有無
などの定めがあるかを必ずチェックします。
場合によっては、
- 新銀行に上乗せ融資を打診し、違約金相当分を含めて支援してもらう
といった組み方を検討することもあります。
3. 新銀行で稟議 → 融資実行 → 既存借入を一括返済
新銀行の融資が実行され、その資金でメインバンクの借入を一括返済します。
- 既存の借入の完済手続き
- 担保権の抹消/付け替え
- 保証協会付き融資の場合は保証協会との調整
など、事務的な手続きも多くなります。
4. メイン口座や入出金口座の切り替え
売上入金・仕入支払・給与口座などを、徐々に新メインバンク側へ移していきます。
- 取引先への案内タイミング
- 公共料金や税金の引き落とし変更
- 給与振込指定口座の変更
など、細かな実務も発生します。
5. 旧メインバンクとの関係維持/新メインバンクとの関係構築
「旧メインバンクとは最低限の取引を残すのか、完全に切るのか」
「新メインバンクとはどのような頻度で情報共有していくのか」
といった、今後の銀行ポートフォリオの再設計が必要になります。
「金利だけ」ではなく、「誰と、どのポジションで、どの銀行と付き合うのか?」まで含めて戦略を組むことが大切です。
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日本政策金融公庫を使った借り換えが抱える問題点

よくあるご相談の一つに、
「公庫の超低金利で借りて、民間銀行の借入を返してしまいたい」
というものがあります。
結論から言うと、「肩代わり目的」での公庫融資の利用は原則NGです。
- 公庫は「事業資金」「運転資金」としての利用が前提
- 既存借入の返済を目的とした資金使途は認められていません
実務上は、
- 表向きは「運転資金」として申込
- 実際には民間借入の返済に回す
というグレーなケースも見たこともありますが、これは
- 資金移動を追えば一目瞭然
- 公庫・民間銀行双方からの信頼を失う可能性が高い
という、かなりリスクの高い行為です。
一時的に楽になっても、「その後10年の資金調達が難しくなる」ような動きは、全くおすすめしません。
参考記事:スタンダード市場へ上場している株式会社エフアンドエム様の記事
→日本政策金融公庫の融資の借り換えのポイントやメリット、審査通過の準備を解説
肩代わりに踏み切る場合には、これらのリスクをすべて加味したうえで判断しましょう。
「借り換えを検討してもいい会社」と「危険信号の会社」の違い

ここまで読んで、
- 「うちも肩代わりの提案が来ているが、どう判断したら良いか分からない…」
という方も多いと思います。
ざっくり言うと、以下のような違いがあります。
借り換えを前向きに検討してもよいケース(例)
- 営業利益が安定して黒字、自己資本比率も大きく傷んでいない
- 将来の大型投資・M&Aなどに向けて、あえて銀行構成を変えたい
- メインバンクとのコミュニケーションが完全に破綻している
- 金利差が大きく、違約金を加味しても数年で十分ペイする計算になっている
一度立ち止まった方がいいケース(例)
- 業績が不安定で、資金繰りにも余裕がない
- メインバンクの支援に今後も頼らざるを得ない状況
- 金利差は小さく、違約金を含めると「本当に得かどうか」微妙
- 担当者への感情的な不満だけで、冷静な試算ができていない
肩代わりは「感情」で決めると失敗しやすく、「数字と戦略」で判断すると成功しやすいテーマです。
簡易チェック:相談したほうがいいタイミング
次のどれかに当てはまる場合は、一度プロのセカンドオピニオンを挟んだほうが安全です。
- 上の「前向きに検討してもよいケース」に 3つ以上 当てはまる
- または「一度立ち止まった方がいいケース」に 1つでも 当てはまる
この場合、
- 金利差+違約金を含めた損得勘定
- 今後5〜10年の設備投資・運転資金ニーズ
- メインバンク/サブバンクの役割分担
を数字ベースで整理してから動かないと、あとから「やっぱりやめておけばよかった」となりがちです。
「うちの条件だと、やっても大丈夫?」
そう感じたタイミングが、オンライン無料相談のベストタイミングです。
【まとめ】融資の借り換えは「銀行のプライド」との戦い。冷静なセカンドオピニオンを。

融資の借り換え(肩代わり)は、
- 金利負担の軽減
- 条件改善
- 新しい銀行との関係構築
という意味で、うまく使えば非常に強力な武器になります。
一方で、
- 銀行内のプライド・感情
- メインバンクとの関係悪化
- 将来の資金調達に対する影響
という、目に見えにくいリスクも大きいテーマです。
だからこそ、
- 「怒り」や「不満」だけで決めず、
- 数字・条件・将来計画を冷静に並べたうえで、
- 第三者の視点も交えて判断する
ことが大切です。
ホンマル株式会社ができること
― 借り換え前の「セカンドオピニオン」と実行サポート
ホンマル株式会社では、元銀行本部審査部門として2,000社以上の審査に携わってきた経験を活かし、
- 融資借り換え(肩代わり)が本当に“得”になるのか?
- メインバンクを変えるべきか、条件交渉で済ませるべきか?
- どの銀行をメイン/サブに据えるのが、中長期的に良いか?
といったテーマについて、中立的な立場からセカンドオピニオンを提供しています。
具体的なサポート内容(例)
- 現状の借入条件・金利・返済条件の棚卸し
- 違約金を含めた「借り換えの損得シミュレーション」
- メインバンク/サブバンクそれぞれとの関係性評価
- 借り換えをする場合・しない場合の「5〜10年後の資金調達シナリオ」検討
- 実際に借り換えを行う場合の、銀行交渉・資料作成サポート
こんな方は、一度オンラインでご相談ください
- すでに別の銀行から「肩代わり提案」を受けている
- メインバンクに対して不満があるが、関係を壊していいか判断に迷っている
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一度の判断が、この先10年の資金調達を左右することも珍しくありません。
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