物流倉庫建設のための資金調達!6億円以上の成功事例と具体的なステップを融資コンサルタントが解説

物流倉庫建設のための資金調達!
6億円以上の成功事例と具体的なステップを融資コンサルタントが解説

物流倉庫建設のための資金調達!
6億円以上の成功事例と具体的なステップを融資コンサルタントが解説

はじめに

物流業界は日々進化を遂げていますが、その中でも深刻な問題なひとつが「倉庫不足」です。多くの運送会社が自社倉庫や貸し倉庫の建設を検討しています。

倉庫は、保管料やデバンニング作業による収益を生むだけでなく、競争力を高めるための重要なインフラです。

しかし、物流倉庫の建設には多額の資金が必要であり、銀行融資による資金調達が欠かせません。

では、物流倉庫建設のために1億円以上、場合によっては数十億円以上の資金を銀行から調達するには、どのようなステップを踏むべきでしょうか?

この記事では、実際の成功事例を交えつつ、物流倉庫建設に必要な銀行融資を獲得するための具体的な方法を解説します。


物流倉庫建設の意義とその資金ニーズ

物流倉庫の建設は、単なる保管スペースの提供を超えて、収益性の高いビジネスモデルの基盤となります。

たとえば、運送業者は倉庫を活用してデバンニング作業や保管サービス、輸送サービスを提供することができ、荷主のニーズに応えることで利益を上げることが可能です。

また、物流倉庫を保有は、運送オペレーション全体の効率化にも寄与します。ドライバーの移動時間短縮やコスト削減にもつながります。

さらに、「物流の2024年問題」による労働力不足や規制強化の影響を緩和する効果も期待できます。

こうしたビジネスチャンスを最大限に活かすために、運送会社は多額の資金を投じて倉庫を建設します。その資金を銀行から調達するには、詳細な事業計画と資金調達戦略が不可欠です。


数億円超の設備資金の資金調達に必要な準備4点

設備資金等での数億円以上の大規模な融資を得るためには、以下の4つのポイントに重点を置く必要がありますす。

【その1】詳細な事業計画書の作成

銀行に対して最も重要なのは、説得力のある事業計画書を提示することです。

計画書には、倉庫建設後の具体的な収益見込みや、現在の財務状況を詳細に記載し、銀行にとってリスクを最小限に抑えることが求められます。

【その2】担保価値の明確化

融資を受ける際、担保として提供する土地や建物の価値が重視されます。

倉庫建設予定地の立地や市場価値を明確に示し、銀行が安心して融資を行える状況を作ることが大切です。

当然銀行側も担保価値を物件毎に調査しますが、そのほとんどが保守的なものになります。こちらの考え(好立地であることの説明)を示すことは大事です。

これにより、銀行はリスクを軽減でき、融資承認の可能性が高まります。

【その3】信頼性の高い財務状況の提示

銀行は、融資申請者の信用力を非常に重視します。

したがって、過去の財務状況やキャッシュフローの健全性をしっかりと示し、信頼性を築くことが必要です。

特に、返済能力をしっかりとアピールすることで、銀行は融資をより前向きに検討します。
※一見、過去の財務状況が芳しくないように見えても、場合によっては「本当の企業の実力」を示すことが出来るケースもあります。このノウハウについては、当社にご相談ください。

【その4】銀行との信頼関係の構築

長期的な融資を成功させるためには、銀行との信頼関係を築くことが不可欠です。

普段から定期的に銀行と情報を共有していますか?

面談の都度、試算表をこちらから提出していますか?

定期的に銀行と情報を共有し、透明性を持って経営を行うことはとても重要です。


融資に有利な条件を引き出すためのポイント2点

大口融資を成功させるには、交渉力も重要です。以下の2つのポイントを押さえ、銀行から有利な条件を引き出しましょう。

【その1】複数の銀行に相談

ケースバイケースですが、1つの銀行に依存せず、複数の銀行に相談することで、競争原理を働かせ有利な条件を引き出すことが可能です。

各銀行の提示する条件を比較し、自社に最も適した融資条件を選びましょう。

【その2】融資期間と返済条件の交渉

融資期間や返済条件についても柔軟に交渉することが大切です。

特に、融資期間が長ければ毎月の返済負担が軽減され、キャッシュフローを安定させることができます。

また、返済の一時猶予期間を半年〜1年間設けることで、倉庫建設後の初期運用期間を無理なく乗り切ることが可能です。


銀行融資の流れ

銀行融資を受ける際の一般的な流れは次の通りです。

  1. 銀行との初回相談:事業内容や融資希望額、担保内容について銀行と相談。
  2. 事業計画書の提出:詳細な事業計画書を提出し、銀行の審査を待ちます。
  3. 銀行による審査:銀行は提出された計画書や財務状況を基に、融資可能額や条件を判断します。
  4. 融資の決定と条件交渉:融資が決定したら、返済期間や金利などの条件を最終的に交渉します。
  5. 融資契約の締結:最終的に融資契約を締結し、資金が提供されます。

成功事例:年商10億円の運送会社A社の融資調達成功例

A社は、年商10億円を誇る九州北部を拠点とする運送会社で、現在、倉庫を保有しています。

近年、TSMCの熊本進出等に伴う南九州エリアの保管に関する相談が増加しており、倉庫需要が旺盛であることを実感していました。

その折、付き合いのある不動産仲介会社から、物流拠点として優れた立地条件を持つ南九州の土地を紹介されました。この土地は、荷主需要が高く、相場よりも安価で取得可能なため、投資する価値が十分にあると判断されました。

加えて、A社は新たな倉庫を建設することで、ドライバーの労働時間や燃料費の削減に寄与し、物流業界の「2024年問題」に対する解決策の一環となることを目指しました。

A社は、銀行への融資申請にあたり、既存の財務状況や損益についての詳細な説明を行い、現在のキャッシュフローや返済能力を明示しました。さらに、新たに建設する倉庫の収益見込みやキャッシュフロー予測を融資期間(20年)にわたって詳細に示し、投資のリスクを最小限に抑える計画を策定しました。

また、倉庫の立地条件を客観的に示すために、周辺地域の市場調査を行い、独自の担保価値を算出。これにより、銀行に対して投資の正当性をしっかりとアピールしました。

こうした詳細な事業計画の提示によって、A社は総額6.8億円もの融資調達に成功しました。

新倉庫の建設により、A社は南九州エリアでのビジネスを拡大することができ、物流業界の競争力を一層強化しました。この成功事例は、倉庫建設を考えている運送業者にとって、具体的な指針となるでしょう。


まとめ

物流倉庫の建設は、運送会社にとって新たな収益源を確保するための重要なステップです。

しかし、数億円以上の大規模な融資を受けるには、詳細な事業計画書や担保価値の明確な提示、銀行との信頼関係が不可欠です。

成功事例のように、計画的かつ戦略的な融資交渉を行うことで、企業の成長に大きく貢献することができます。

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この記事を書いた人

代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。