ホンマル株式会社 代表・村松広輝|銀行と企業の橋渡し役にかける想い

ホンマル株式会社 代表・村松広輝
銀行と企業の橋渡し役にかける想い

銀行時代、私が抱え続けた違和感

大学を卒業後、私は大手銀行に入行し、支店の法人融資担当を経て、本部の融資審査部門に異動となりました。

いわゆる「審査の目線」で案件を見極める側に立ち、2,000社を超える稟議書と向き合う日々。

そこには、数字だけでは語れない企業の現実と、銀行内部の構造的な課題が交錯していました。

本部審査では、支店から上がってくる稟議書をもとに、企業の財務状況やリスク、担保力などをチェックし、最終的な可否判断のための材料を整えます。

ただ、実際に書類に目を通す中で強く感じていたのは、「本当にこの企業のことを分かった上で、審査が進んでいるのか?」という違和感でした。

支店の担当者は、目の前の社長と向き合い、話を聞き、数字を集め、稟議書を作ります。

しかし、稟議には支店長の意向や行内ルールのバイアスがかかり、時に本質が見えにくくなることもありました。

一方で、企業側も「銀行に変なことを言ってはいけない」と感じているのか、肝心な情報や課題をオープンに語らない傾向もある。

結果として、審査する側である我々は「断片的な情報」をもとに、数千万円、時に億単位の融資判断をしなければならない──。

銀行員と企業経営者の間には、思っている以上に大きな“情報の壁”が存在していたのです。

なぜ私は銀行を離れたのか

銀行の仕事は、間違いなく社会的意義のある仕事です。

地域の企業を支え、経済を循環させ、雇用や投資の起点になる。

私自身も銀行業務にやりがいを感じていました。

しかし、審査部門で多くの企業と向き合ううちに、次第にこう思うようになりました。

  • 「もっと、企業の“中”に入って支援したい」
  • 「もっと、社長の本音を引き出し、一緒に考える仕事がしたい」

銀行の立場では、どうしても“貸す側”と“借りる側”という上下関係が生まれてしまうことがあります。

その構造のなかでは、対等な対話は難しい。

ならば、私はその枠組みを飛び越えて、企業と銀行の間に立ち、双方が本音で向き合える場をつくりたい。

こうして私は銀行を退職し、「ホンマル株式会社」を設立しました。

Hold the Core──この言葉に込めた決意

当社ホンマルのビジョンは

“Hold the Core, Build Your Future.”「核(Core)を守り、未来を創る」

この言葉には、企業経営において本当に大切なもの――つまり、ぶれない軸・信念・理念・人材・強みを守りながら、財務戦略によって“未来を創る”伴走者でありたいという想いを込めました。

企業が成長するためには、財務の安定が不可欠です。

しかし、多くの中小企業は日々の業務に追われ、資金調達や財務戦略にまで手が回っていません。

  • 本当はもっと投資できる余地があるのに、融資が通らない。
  • 本当はもっといい条件で借りられるのに、その可能性に気づけていない。

ホンマルは、社長の“右腕”として、そして“未来設計のパートナー”として、事業の本質(=Core)を見極め、その成長を一歩先から支える存在でありたいと考えています。

融資の未来は「過去」ではなく「未来」を見る時代へ

ここ数年、銀行融資の現場は大きく変わりつつあります。

とくに「事業性評価」というキーワードが象徴的です。

かつて銀行の審査は、「過去の数字」「担保・保証」に大きく依存していました。

しかし、これからはそうではありません。

企業の将来性やビジョン、成長性をしっかりと理解し、それをもとに融資判断をする――いわば“未来を見る融資”が求められているのです。

これは、企業にとって大きなチャンスであると同時に、試練でもあります。

なぜなら、「未来を語る力」が問われるからです。

事業計画があいまいだったり、財務的裏付けが甘かったりすると、いくら想いがあっても銀行は評価しません。

事業性評価が進む時代とは、

「審査がゆるくなる時代」ではなく、「本気の企業だけが、チャンスをつかめる時代」です。

ホンマルは、そんな時代において、経営者の“頭脳の一部”として、そして銀行にとっても「この会社なら安心して貸せる」と思ってもらえる橋渡し役として、存在意義を発揮していきたいと考えています。

※関連記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」ーー元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?

最初に支援した企業のこと──信頼は“傍に立つこと”から始まる

創業後、最初に本格支援をしたのは、ある物流関連の会社でした。

その企業は当初、銀行から「これ以上の借入は難しい」と言われていました。

確かに一見すると財務面では厳しい部分もありましたが、現場の状況や今後の取引先拡大の見通し、改善への具体的な動きなどをヒアリングする中で、「この会社に銀行は融資すべきだ」と確信しました。

私は、社長と一緒に事業計画を作り直し、銀行が知りたい“数字と言葉”で再構成し、情報も整理して提出。

結果として、当初難色を示していた銀行から数億円もの融資が決裁されました。

このとき強く実感したのは、「信頼とは、企業の隣に立ち、同じ目線で一緒に考えることから生まれる」ということでした。

銀行員の“本当の志”を取り戻せる場所にしたい

銀行に勤める人の多くは、「企業を支援したい」「地域の発展に貢献したい」と思って入行します。

私もそうでした。

しかし実際には、融資では利益が出しづらく、保険・投資信託の販売に追われる現実。

成績やノルマに苦しみ、「やりたいことができない」と感じながら、銀行を離れる人も少なくありません。

私は、ホンマルを、そんな銀行員たちにとっての“第二のキャリア”の選択肢にしたいと考えています。

銀行の看板がないからこそ、忖度なく、企業の本音に向き合える。

融資という手段を通じて、企業の未来づくりに真正面から関われる。

「本当は、こういう仕事がしたかった」

そう思える場所を、これから一緒に創っていきたいです。

おわりに──事前の一手は、事後の百手に勝る

私たちが掲げるもう一つの信念。

「事前の一手は、事後の百手に勝る」

経営において、問題が起きてから動いても、後手後手になることが多い。

だからこそ、先回りして財務や資金戦略を設計しておくことが、企業の未来を左右します。

ホンマルは、経営者が本業に集中できるように、財務という“見えないインフラ”を整える存在でありたい。

これからも、ホンマルは、企業の“Core=核”を守り、未来を創るための最良の伴走者であり続けます。

弊社では一緒に働く仲間も募集しています。
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この記事を書いた人

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代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。