
ホンマル株式会社 代表・村松広輝
銀行と企業の橋渡し役にかける想い
ホンマル株式会社の代表を務める、村松広輝です。
私は大学卒業後、銀行に入行し、約10年間、企業融資の仕事に携わってきました。
支店では法人営業や融資業務を経験し、本部の融資審査部門では、累計2,000社を超える融資案件の審査に携わりました。
現在は銀行を離れ、ホンマル株式会社を経営しながら、企業側の立場で、大口融資の調達や財務戦略、大型設備投資などの重要な経営判断を支援しています。
立場は変わりましたが、銀行員時代から今まで、一貫して考えていることがあります。
それは、
銀行と企業がお互いをもう少し深く理解できれば、より良い融資判断、そしてより良い経営判断につながるのではないか
ということです。
ホンマルを立ち上げた原点も、そこにあります。
融資審査の現場で感じていた「情報のズレ」
銀行の本部融資審査部門では、支店から上がってきた稟議書、決算書、事業計画書などをもとに、融資案件を審査します。
数千万円、数億円という金額の融資を判断する仕事です。
当然、返済能力や財務内容だけでなく、事業内容、投資計画、業界環境、経営者の考え方など、さまざまな角度から企業を見ます。
銀行には、財務情報だけで機械的に融資を判断するのではなく、企業の事業内容や将来性なども含めて評価する「事業性評価」という考え方もあります。
私自身、本部で数多くの案件を審査する中で、多くのことを学びました。
一方で、何度も感じたこともありました。
「この会社のことを、本当に十分理解したうえで判断できているだろうか」
ということです。
本部の審査担当者が、すべての会社を訪問し、すべての経営者と直接話せるわけではありません。
基本的には、支店担当者が集めた情報や、銀行に提出された資料を通して企業を理解します。
しかし、経営者が考えていること、現場で起きていること、これから会社をどうしていきたいのか。
それらすべてを数枚の資料だけで伝えることは簡単ではありません。
逆に、企業側も、
「こんなことまで銀行に話してよいのだろうか」
「悪い数字を出したら、融資に不利になるのではないか」
「将来の計画を、どう説明すればよいのか分からない」
と考え、本来伝えた方がよい情報まで十分に伝えられていないことがあります。
銀行側にも事情があり、企業側にも事情があります。
どちらかが悪いわけではありません。
ただ、その間には時として、情報や認識のズレが生まれます。
銀行員時代の私は、そのズレを何度も目にしてきました。
もっと企業の「中」に入って仕事がしたい
銀行の仕事には、大きな社会的意義があります。
融資によって企業の投資を支え、雇用を支え、地域経済を支える。
私自身、銀行員として働いた約10年間は、今の仕事の土台になっています。
銀行で働いていなければ、今の私はありません。
それでも、企業の経営者と向き合うほど、次第に別の思いが強くなっていきました。
もっと企業の中に入り、経営者と一緒に考える仕事がしたい。
融資の相談が発生してからではなく、そのもっと前から関わりたいと思うようになりました。
たとえば、
「この設備投資を本当にやるべきなのか」
「いくらまでなら投資できるのか」
「自己資金はいくら入れるべきなのか」
「今、銀行から借りるべきなのか」
「この投資をした後の資金繰りは大丈夫なのか」
といったことです。
銀行に説明するためだけの事業計画や資料ではなく、経営者自身が納得して意思決定できる数字や計画を一緒に考えたい。
そんな思いが強くなり、銀行を退職しました。
そして、ホンマル株式会社を立ち上げました。
企業側に立って、初めて見えたこと
独立して企業側で仕事をするようになると、銀行員時代には十分見えていなかったものも見えるようになりました。
経営者は、決算書だけを見て会社を経営しているわけではありません。
従業員、取引先、売上、採用、設備、競合、資金繰り。
さまざまなことを同時に考えながら、最後は自分で判断しなければなりません。
特に大型設備投資、新規事業、M&Aなどでは、一つの判断がその後の会社を大きく左右することもあります。
銀行員時代、融資案件を審査するときには、当然ながら、
「この融資を実行できるか」
という視点で案件を見ます。
ところが企業側に立つと、その前にもっと重要な問いがあることに気づきます。
「そもそも、この投資をするべきなのか」
という問いです。
銀行から融資を受けられることと、その投資が会社にとって正しいことは、必ずしも同じではありません。
仮に銀行から数億円の融資を受けられたとしても、その後の返済負担によって資金繰りが苦しくなれば、良い資金調達だったとは言えません。
逆に、十分に返済できる企業が、借入を過度に避けた結果、本来できたはずの投資機会を逃すこともあります。
だから私は、資金調達だけを切り離して考えるのではなく、投資判断、借入戦略、資金繰りまで一体で考えることが重要だと思っています。
「融資を受けること」をゴールにしない
ホンマル株式会社では、まとまった資金需要のある企業を中心に、大口融資の調達を支援しています。
設備投資、新規事業、M&A、事業拡大、運転資金。
企業によって資金の使い道はさまざまです。
ただ、私たちが目指しているのは、単に「銀行融資を通すこと」ではありません。
たとえば、大型設備投資を行うのであれば、融資申込みの前に考えるべきことがあります。
- 投資総額はいくらか。
- 自己資金をどこまで入れるのか。
- 借入期間は何年が適切か。
- 投資後の売上や利益はどう変わるのか。
- 既存事業も含めた資金繰りに無理はないか。
- そして、その計画を銀行にどう説明するか。
融資が実行された後も終わりではありません。
- 計画どおりに売上が上がっているのか。
- 利益は確保できているのか。
- 借入返済を続けながら必要な運転資金を確保できるのか。
必要であれば、当初の計画を見直すことも必要です。
だからホンマルでは、
「資金調達の前から、実行後まで。」
という考え方を大切にしています。
銀行融資は、企業経営の目的ではありません。
会社が事業を成長させていくために使う、財務上の手段の一つです。
だからこそ、
「いくら借りられるか」
だけではなく、
「借りた後、この会社はどうなるのか」
まで考える。
それが、私たちが考える財務支援です。
銀行側の論理も、経営者側の事情も分かる存在に
私は銀行出身です。
ですから、銀行が融資審査でどこを見るのか、どのような情報を必要とするのか、どこにリスクを感じるのかはよく分かります。
決算書の数字だけではありません。
事業計画の実現可能性。
投資効果。
返済原資。
資金繰り。
経営者の考え方。
そして、銀行とのこれまでの取引状況。
さまざまな要素を見ながら、銀行は融資を判断します。
一方で、今は企業側に立っています。
経営者がどれほど多くの判断を迫られているのか。
銀行には説明しにくい事情があること。
数字だけでは割り切れない経営判断があること。
銀行員時代よりも、そのことがよく分かるようになりました。
だから私は、企業側だけに立って銀行を批判することも、銀行側の論理だけで企業を見ることもしたくありません。
企業にとって、銀行は重要な金融パートナーです。
そして銀行にとっても、企業の実態や将来計画を正しく理解できることは、より良い融資判断につながります。
その間に入り、
- 経営者の考えていることを整理する。
- 数字に落とし込む。
- 銀行が判断できる形にする。
- そして、必要な情報をきちんと伝える。
- 反対に、銀行が何を懸念しているのかを企業側に伝え、今後の財務戦略に生かしていく。
そうすることで、銀行と企業が同じ情報をもとに話せる状態をつくる。
私は、そんな銀行と企業の橋渡し役でありたいと思っています。
財務コンサルティングで大切にしていること
「財務コンサルティング」という言葉は、かなり広い意味で使われています。
資金調達を支援する会社もあれば、資金繰りや予実管理を支援する会社もあります。
私自身は、財務コンサルティングの価値は、単に資料を作ったり、融資条件を比較したりすることだけではないと思っています。
大切なのは、経営者が重要な意思決定をする前に、財務と金融の視点から一緒に考えることです。
経営者には、営業、採用、商品、組織など、それぞれ得意な領域があります。
一方で、大型投資や資金調達は、毎月発生するものではありません。
数年に一度の大きな判断であることもあります。
そのときに、
「銀行から借りられそうだから投資する」
でもなく、
「借金は怖いから投資しない」
でもなく、
会社の財務状況や将来のキャッシュフローを踏まえて判断する。
そこに、銀行融資と財務の専門家が関わる意味があると考えています。
「事前の一手は、事後の百手に勝る」
私が仕事をするうえで、大切にしている言葉があります。
「事前の一手は、事後の百手に勝る」
という言葉です。
- 資金繰りが苦しくなってから銀行を探す。
- 大型投資を決めてから資金調達方法を考える。
- 銀行から指摘を受けてから資料を作る。
もちろん、その段階からでもできることはあります。
ただ、どうしても選択肢は少なくなります。
反対に、半年後、一年後を見据えて事前に準備していれば、選択肢を増やすことができます。
- 業績が良いうちに銀行との関係をつくっておく。
- 数年後の投資を見据えて、借入余力を考えておく。
- 投資を決定する前に、複数の資金調達方法を検討する。
- 銀行から聞かれる前に、経営計画や財務状況を整理しておく。
こうした一つひとつの準備が、いざというときに大きな違いになります。
これは銀行融資だけの話ではありません。
経営そのものにも通じる考え方だと思っています。
だからホンマルは、問題が起きてからだけではなく、
問題が起きる前、そして重要な判断をする前から相談してもらえる会社
でありたいと考えています。
※関連記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」ーー元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?
企業の重要な意思決定を、財務と金融の視点から支える
ホンマル株式会社は、2025年に法人化したまだ若い会社です。
そして私自身も、銀行員時代に身につけた考え方だけで、今の仕事をしているわけではありません。
企業側に立って経営者と一緒に仕事をする中で、見えるものも、考え方も少しずつ変わってきました。
ただ、ホンマルを立ち上げた原点は変わっていません。
企業と銀行の間にある情報のズレを減らしたい。
経営者が重要な判断をするとき、財務と金融の専門家として隣にいたい。
目の前の融資を受けることだけではなく、その先も会社が成長していけるような意思決定を支えたい。
それが、私がこの仕事をしている理由です。
ホンマルという社名には、
「Hold the Core, Build Your Future.」
核を守り、未来を創る。
という思いを込めています。
会社によって、「守るべき核」は違います。
事業かもしれません。
従業員かもしれません。
長年培ってきた技術や取引先との関係かもしれません。
あるいは、経営者自身が大切にしてきた価値観かもしれません。
その核を守りながら、次の成長へ進んでいく。
そのための重要な意思決定を、財務と金融の視点から支える。
銀行と企業の間に立ち、必要なときには経営者の隣に立つ。
これからも、ホンマル株式会社はそんな存在でありたいと思っています。
ホンマル株式会社
代表取締役 村松 広輝
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