法人が銀行融資を受ける流れ! 審査に通るための方法についても伝授!

法人が銀行融資を受ける流れ! 審査に通るための方法についても伝授!

  • 「法人で銀行融資を受けたいけど、どう動いたらいいのか分からない…」
  • 「銀行って何を見ているの?」

経営者の方から、こんな質問をよくいただきます。

実際、法人の銀行融資にはある程度「決まった流れ」があります。

ただし、流れだけを知っていても不十分で、「どんな準備をして、どう向き合うか」で結果が大きく変わります。

私は元銀行本部の審査担当として、これまで2,000社以上の法人融資を見てきました。

そこで感じたのは、融資の成否は準備とコミュニケーションの仕方でほぼ決まる、ということです。

この記事では、法人が銀行融資を受ける流れをやさしく解説しつつ、審査に通るための具体的なポイントをお伝えします。

この記事は約7分で読めます。

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相談は無料

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スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。

法人が銀行融資を受ける「基本の流れ」

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まずは全体像をシンプルに。法人が銀行融資を受ける流れは、大きく分けて以下のステップです。

  1. 必要書類の準備(決算書・事業計画書など)
  2. 銀行に相談
  3. 担当者との面談
  4. 稟議・審査
  5. 融資実行

個人ローンと違って、法人融資では「事業そのもの」が審査対象になります。

したがって、数字と一緒に「事業の信頼性」や「経営者の姿勢」まで見られます。

なお、飛び込みで電話予約して銀行に訪問するのもいいですが、もし知り合いの経営者や顧問税理士のつてなどがあれば、紹介を受けて訪問することがおすすめです。

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相談は“ある程度準備してから”が鉄則

「節税すると融資を受けにくい」は本当なのか?

多くの経営者がやりがちなのが、「とりあえず銀行に相談に行く」パターンです。

もちろん銀行側も相談には乗ってくれますが、資料が揃っていない状態で行くと、「準備不足の会社だな」という印象を与えがちです。

おすすめなのは、

  • 決算書一式(直近3期分)
  • 試算表(直近の試算表および前年同月の分も)
  • 資金繰り表(今後12ヶ月分あるとなお良い)
  • 簡単な事業計画書(3年程度)

こうした書類を一通り整理してから銀行に相談すること。

「銀行に提出するための書類をきれいに作る」ことよりも、
「会社の実態を分かりやすく整理しておく」ことのほうが大切です。

参考記事:【2025年最新】銀行審査は“ここで決まる”!融資を通す3つのポイントを元審査官が公開

決算書は“そのまま”より“実態を伝える”ことが大事

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銀行は決算書を受け取っても、そのまま信じるわけではありません。

  • 「この数字は本当に会社の実態を表しているのか?」
  • 「何か無理をして黒字に見せていないか?」

こうした目で必ずチェックします。

ここで誤解してほしくないのは、“加工=悪”ではないということ。

節税対策の範囲で数字が動くのは当然ですし、経営判断として「できるだけ黒字に見せたい」という気持ちも理解できます。

ただし、銀行は「表の数字」と「実際の経営の状況」を照らし合わせて考えます。

だからこそ、

「表の数字はこうだけど、実態としてはこんな事情がある」

と正直に伝える方が、結果的に信頼されやすいのです。

一番やってはいけないのは、都合の悪い部分を隠すことです。

後から必ずバレますし、そうなると「この会社は信頼できない」と格付けが一気に下がります。

銀行が知りたいのは「良い面」だけではなく、「課題があるなら、その課題をどう解決しようとしているか」。

ここを誠実に話せるかどうかで、担当者の心証は大きく変わります。

✅ 詳しく知りたい方は当社YouTubeチャンネルでも解説中! 📺【元銀行審査官ムラマツ|銀行攻略ラボ】

参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由

銀行が法人融資でチェックする3つのポイント

銀行が実際に確認している「評判リスク」チェックポイント5選

銀行が法人を審査するとき、細かい項目は山ほどあります。
ただし大きく分けると「3つの視点」で見ています。

1. 数字(決算書・返済能力)

  • 自己資本比率(会社の体力)
  • 利益剰余金(これまでの蓄え)
  • 債務償還年数やDSCR(返済できるかの指標)
    ※簡易計算方法:債務償還年数=借入金残高÷返済原資(税引後利益+減価償却費)
     実際には、もう少し細かい算出方法です。

2. 人(経営者の資質)

  • 社長の経歴や実績
  • 面談での説明力・誠実さ
  • 銀行との信頼関係を築こうとする姿勢

3. 事業の将来性

  • 売上の安定性(主要取引先がしっかりしているか)
  • 業界動向(成長産業か、縮小産業か)
  • 競合との差別化

銀行は「数字」「人」「事業」の3本柱で会社を評価します。

このうち一つでも弱ければ、残りをどう補えるかが審査のポイントです。

詳細解説記事:【2025年最新】銀行審査は“ここで決まる”!融資を通す3つのポイントを元審査官が公開

審査を通すための実践アドバイス

企業ができるレピュテーションリスク対策|実践すべき5つのポイント

ここからは、実際に銀行の審査を通すために効果的な方法を5つ紹介します。

どれも派手なテクニックではありませんが、審査担当者から見ると「おっ、この会社はちゃんとしているな」と思えるポイントばかりです。

1. 決算書は「銀行目線」で整理する

決算書は税務署に提出するためのものですが、銀行が見る視点はまた違います。

  • 税務署 → 正しく申告しているか
  • 銀行 → 返済できる力があるか

つまり、銀行が知りたいのは「数字の裏側にある実態」です。
例えば、固定資産の内訳や、利益の中で実際に現金化できる部分がどのくらいあるか。

そこで重要なのは「銀行が読みやすい形で資料をまとめる」こと。
税理士が作った決算書をそのまま出すのではなく、補足資料をつけて「この数字はこういう意味です」と説明できるようにしましょう。

2. 資金使途はシンプルに明確に

銀行は「何に使うお金か」をとても気にします。
例えば「設備資金」「運転資金」といった大まかな区分だけでなく、設備なら「どんな設備を導入して、売上にどうつながるのか」まで聞かれます。

ここで大事なのは、難しいことを言わず、シンプルに説明すること

「これを買うことで、こういう売上が立つから、返済もできる」このストーリーが伝われば十分です。

3. 事業計画書は“数字+言葉”で語れるように

銀行は計画書の数字だけを信じるわけではありません。
数字に加えて「なぜそう考えたのか」という説明をセットで聞きます。

例えば、

  • 「来期は売上が20%増える予定です」だけでは根拠が弱いですが、
  • 「大手取引先との契約が決まっているので、来期から毎月1,000万円の売上が追加される予定です」

と説明すれば納得感が出ます。

数字と説明がセットになって初めて「信用できる計画」として評価されます。

4. 面談では「良いこと+課題」を一緒に話す

多くの経営者が「良い話だけ」を銀行に伝えようとします。
でも銀行は、課題を全く語らない社長よりも、「課題はあるけど、こう解決していきます」と話す社長を信頼します。

例えば、

  • 「売上は伸びていますが、回収サイトが長いので資金繰りに課題があります。そこで短期の融資をお願いしたい」

と素直に言った方が、銀行としても「この社長は自分の会社をちゃんと把握している」と安心するのです。

5. 提出後のフォローを忘れない

資料を出したら終わり、ではありません。
銀行担当者はその資料を基に稟議(社内決裁の書類)を書きます。

もし追加で聞きたいことが出ても、社長に連絡がつかなかったらどうでしょうか?
担当者は「この会社はコミュニケーションがとりづらい」と感じ、評価が下がることもあります。

だからこそ、資料提出後もこまめに連絡を取り、質問にはすぐ答えることが大切です。
これだけで、担当者の印象は大きく変わります。

よくあるNG行動とそのリスク

無自覚なSNS投稿が「融資否決」につながる5つの具体例

次に「これをやると銀行からの評価が下がる」というNG行動を紹介します。

NG1|売上予測を盛りすぎる

「来期は2倍に伸びます!」と強気の数字を出す社長がいますが、根拠がなければ逆効果。
銀行は「この人は現実が見えていない」と判断します。

NG2|赤字を隠す

赤字そのものは致命傷ではありません。
問題は「赤字を隠そうとする姿勢」です。
赤字なら赤字で、「なぜそうなったか」「どう改善していくか」を語った方が信頼されます。

NG3|担当者に丸投げする

「書類は渡したので、あとはお任せします」ではダメ。
銀行担当者はあなたの代弁者です。
社長の熱意や考えを稟議に盛り込むためには、情報提供が欠かせません。

【まとめ】融資成功のカギは「誠実な準備」

ここまでお伝えしたように、法人が銀行融資を受ける流れはシンプルです。

  1. 書類を準備する
  2. 銀行に相談する
  3. 面談を受ける
  4. 銀行内で審査が行われる
  5. 融資が実行される

でも、この流れの中で「どう準備して、どう向き合うか」で結果は大きく変わります。

  • 決算書や事業計画を整理してから相談する
  • 実態を正直に話す
  • 銀行が知りたいポイントを押さえて説明する

これができれば、融資の通過率は大きく上がります。

そして何より、「銀行と信頼関係を築くこと」が長期的には一番の資産になります。

ホンマル株式会社ができること

私たちホンマル株式会社は、単に「融資を通す」お手伝いをするのではありません。

  • 元銀行本部審査官が2000社以上を見た経験
  • 銀行が稟議に書きやすい資料を整えるノウハウ
  • 融資調達だけでなく、社外CFOとして長期的に伴走

これらを通じて、経営者の皆さんが「本業に集中できる財務基盤」を築くお手伝いをしています。

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銀行員経験のある方は、ぜひ他の記事やYouTube動画もチェックしていただき、ご連絡いただけると嬉しいです。

この記事を書いた人

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代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。