
【2025年最新】銀行審査は“ここで決まる”!
融資を通す3つのポイントを元審査官が公開
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はじめに|銀行の審査って、結局どこを見てるの?
- 「黒字決算なのに、なぜか融資が通らなかった…」
- 「担当者の感触は悪くなかったのに…」
そんな“納得いかない否決”のご相談、実は少なくありません。
今回の記事では、以下のような企業を想定して、銀行の審査のリアルな見方をわかりやすくお伝えしていきます。
【この記事で前提とする企業像】
- 年商
3億円〜30億円規模の中堅企業 - 業種
運送業・倉庫業・建設業・製造業・卸売業・不動産業など - 金融機関
地方銀行・信用金庫・メガバンクとの既存の融資取引あり - 融資内容
既存事業に関する「設備資金」または「多額の運転資金」
このようなケースにおいて、「ここを押さえれば通りやすくなる」3つの数字を、元銀行審査官の視点からやさしく解説します。
- 銀行が審査で“特に”見ている「3つの数字」をやさしく解説
- 前提:対象は「年商3億円以上・既存取引あり・民間金融機関向け」の企業
- 「自己資本比率」「営業利益」「返済能力(債務償還年数)」が重要
- 銀行は“見た目の数字”ではなく“実態ベース”で判断している
- NGになる代表的なパターンも紹介
- 最後に、信頼される相談先の選び方もご紹介
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銀行は審査で“まず”この3つのポイントを見る

銀行が融資審査で“最初に”目を通す数字は、だいたい決まっています。
それが以下の3つです。
- 自己資本比率(=財務の安定性)
- 営業利益(=事業の稼ぐ力)
- 返済能力(=DSCR・債務償還年数)
逆に言えば、これらが合格ラインを超えていれば、他に少々の不安材料があっても、融資の検討は前向きに進むことが多いです。
それぞれを、銀行側の視点で見ていきましょう。
過去の関連記事:
複数銀行に同時打診して好条件を引き出す!事業性融資の「攻略法」と「失敗回避ポイント」
銀行融資の審査ポイント①|自己資本比率は“見た目”じゃなく“中身”を見られています

自己資本比率は、「会社の全体の資産に対して、どれくらい“自社のお金”があるか」を示す指標です。
通常の計算式は、
自己資本比率=(純資産 ÷ 総資産)×100%
ただし、審査の現場ではこの“見た目の数字”をそのまま信用することはありません。
銀行がチェックしているのは「実態自己資本」
- 不良在庫がないか
- 回収困難な売掛金・貸付金が含まれていないか
- グループ企業への貸付金が、赤字企業に対していないか
これらを差し引いて「実態の自己資本比率」を見ています。
※「うちの会社の実態の自己資本比率は何%だろうか?」と気になる方、弊社へお問い合わせください。
参考水準(筆者の実務感覚|あくまで業種等によりケースバイケース)
- 10%台でも基本問題なし(むしろそれが平均的)
- 20%台なら「なかなか良いですね」と言われやすい
- 増加傾向なら、なお良し
見た目よりも、「改善傾向かどうか」「不良資産がどの程度あるか」が大切です。
➡️ 関連記事: 【銀行が“通しやすい社長(貸しやすい社長)”の秘密】融資が通る発言・資料・戦略の黄金パターン
銀行融資の審査ポイント②|営業利益:本業で稼げているか

営業利益は、その会社の「本業でどれだけ稼げているか」を示す数字です。つまり、メインの事業活動で稼いだ利益がここに出てきます。
銀行にとって営業利益は、“実力”を示す非常に重要な指標。
なぜなら、返済の原資となるお金を「本業からどれだけ生み出せているか?」を見るからです。
ポイントは“利益率”よりも“背景と一貫性”
業種によって適正な利益率や、利益の出し方は大きく異なります。
- 建設業のように案件ごとの利益が変動しやすい業種
- 製造業のように固定費が重く、利益が出にくい時期がある業種
- 卸売業のように粗利は薄くても回転率で勝負する業種
こうした特性を踏まえ、銀行は「この利益水準がその業種・その会社にとって妥当か?」を実態で見てきます。
したがって、
- 「前期より利益率が改善している」
- 「仕入れ先の見直しなどで粗利改善中」
- 「赤字だけど、減価償却や先行投資による一時的な影響」
など、定性的な説明と一貫した数字の流れがあれば、評価はむしろ上がります。
赤字でもチャンスはある
銀行が求めているのは「過去の結果」だけではありません。 むしろ、「今の赤字は将来のための先行投資である」と筋道立てて説明できれば、意外と前向きに見てもらえることも。
本業の収益性をどう見るかは、表面的な利益率よりも、“今後どう改善していけるか”の根拠をどう伝えるかにかかっています。
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参考記事:銀行・信金に決算書を提出するときの注意点7選|資金繰り表・3年計画で“未来”も見せる
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銀行融資の審査ポイント③|返済能力:DSCRと債務償還年数、どちらも見られている!

融資審査で一番キモになるのが「返済能力」です。 銀行はこれを、主に2つの指標で見ています。
(1)DSCR(返済能力のスナップショット)
DSCRとは、「Debt Service Coverage Ratio(債務償還余裕率)」の略で、企業が借入金の元利金(元本+利息)を問題なく返済できるかどうかを測る指標です。銀行融資の審査でも非常に重要な数値です。
DSCRの定義・計算式
DSCR =(営業利益 + 減価償却費) ÷ 年間の元利返済額
上段の「営業利益+減価償却費」は、いわゆるキャッシュベースの利益(=返済に使えるお金)。
下段の「元利返済額」は、1年間に返済すべき借入金の元本+利息の合計額。
DSCRの目安
DSCRの値 | 評価の目安 | 説明 |
---|---|---|
1.5以上 | ◎ 優良 | 返済能力が非常に高い |
1.2〜1.5 | ○ 健全 | 十分に返済可能と判断される |
1.0〜1.2 | △ 注意 | ギリギリ返済できるが余裕はない |
1.0未満 | × 警戒 | 返済能力に問題あり (融資審査ではNGになりやすい) |
ですが、実務的には以下のような“実態の返済原資”を使って再計算します。
- 税引後当期純利益 + 減価償却費 ± 経常的ではない収入や損失(例:補助金収入などの一時的収益、固定資産売却損などの非経常的損失) = 実態の返済原資
この実態返済原資をベースにした指標が、次の「債務償還年数」です。
(2)債務償還年数:より実務的な指標
債務償還年数 = 有利子負債 ÷ 実態の返済原資
- 10年以内:優良評価
- 15年以内:概ね妥当
- 20年超:警戒ゾーン
ただし、不動産業など在庫型ビジネスや、製造業で固定資産投資が多い企業は「20年程度」でも許容されることがあります。
あくまでケースバイケースであり、「資金使途との整合性」が大事です。
※「自社の債務償還年数は何年だろうか?」と気になる方は、お問い合わせください。
※関連記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」ーー元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?
銀行審査が上手くいかない4つのパターン|リアルなNG例

いくら数字が良くても、以下のような状況があると審査が慎重になったり、否決されることもあります。
① 税金や社会保険料の滞納
銀行にとって「税金を優先して支払っていない=資金繰りがギリギリ」と映ります。
② 代表者貸付金が多額にある
会社の資金と個人の資金が曖昧になっていると、「この会社はガバナンスが弱い」「融資金が社長の交際費に使われるのでは・・・」と見られ、印象が悪化します。
③ 月次試算表や資金繰り表を出し渋る
資料の提出に消極的だと、「開示姿勢に不安がある」と感じられ、リスク評価が高まります。業績良い悪いにかかわらず、積極的な情報開示が必要。もし業績が悪いのであれば「その理由」「改善策」を同時にA41枚程度のメモ書きでも良いので渡しましょう。
④ 担当者の質問に対して曖昧な回答が多い
ヒアリングに一貫性がない場合、銀行側は「この会社、大丈夫かな…?」と不信感を抱きます。
大切なのは「隠すのではなく、説明できること」。開示と誠実な説明は、それだけで大きな信用になります。
※参考記事1:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
※参考記事2: 【税理士とCFOの違い】「顧問税理士に聞いても答えがこない…」——財務戦略の相談先、間違っていませんか?
【まとめ】銀行融資審査がうまくいく通る企業は、“数字+伝え方”が上手い

銀行融資の審査を通すためには、「どれだけ稼げるか」「どれだけ返せるか」「どれだけ安全か」を、しっかり伝える必要があります。
【おさらい】銀行が見る3つのポイント
- 自己資本比率
不良資産を除いた“実態ベース”で見られている - 営業利益
本業での稼ぐ力。赤字でも説明力でカバーできる - 返済能力(DSCR・債務償還年数)
特に後者は実務上のキモです
そして、これらの“数字”を「伝える力」も同じくらい重要。
事業内容や資金使途との整合性、改善計画の根拠、資料の完成度など…銀行が「納得」することが審査通過への近道です。
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