【融資で4億円調達したい!】“事前の一手”で決まる。やさしく読めるけど中身はガチな通し方

【融資で4億円調達したい!】
“事前の一手”で決まる。やさしく読めるけど中身はガチな通し方

融資4億円調達、ウチでも現実?」

結論、現実可能です。

ポイントは、

  • 返済できる根拠を先に作ること(返済額<キャッシュ)、
  • お金の使い道を粒度高く示すこと
  • そして銀行と日頃から良い関係を作っておくこと

むずかしい横文字はなるべく使わず、でも審査目線はガチ解説でいきます。

この記事は約9分で読めます。

早速!この記事の要約・ポイント
  1. 4億を10年・年1.8%・元利均等で借りると、初年度の年返済は約4,406万円
    ※目安:1億あたり約1,101万円/年
  2. 銀行はEBITDAより“実態ベースの償却前利益”DSCRより“返済額<キャッシュ(CF)”と“債務償還年数”を重視。
  3. 設備・不動産系の4億は返済期間=耐用年数が目安(10年超〜最長30年もありうる)。
  4. 運転資金短期で“借りっぱなし”がセオリー(当座貸越)。
    長期で借りるなら目安5年、最大10年
  5. 返済方法は元金均等が一般的(毎年の返済額がだんだん軽くなる)。
  6. いきなり“初対面の銀行に4億”は警戒されます。
    日頃の関係づくりが最重要
    これこそ「事前の一手は事後の百手にも勝る」

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まず、「融資で4億円」調達できる?

銀行融資の「裏技」とは?見えない信頼づくりが実はカギ

いきなりですが、銀行が見るのはこの3点

  1. 返せる力
    毎年のキャッシュが返済額を上回ること(ここが最重要)。
  2. 回収の見通し
    担保評価・保証が妥当であること。
  3. 事業の筋
    なぜ今?誰に売る?値付けと原価の根拠は?(継続性があるか)。

難しい財務指標は不要。この3点が揃えばとりあえず“前向き”に進みます。

年返済はいくら?かんたん目安

  • 前提
    4億円/10年/年1.8%/元利均等/他に借入なし
  • 目安
    年返済 ≒ 約4,373万円(1億円あたり約1,093万円)
    → 「この年返済に対し、実態ベースの“償却前利益”上回る」ことを示せれば、土俵に乗ります。

例:キャッシュ(CF)5,500万円 − 年返済4,373万円 = +約1,127万円 → 余力あり=前向きになりやすい。

元利均等と元金均等、どっちがいい?

  • 元利均等返済
    総返済額は毎年同じ。資金繰りは読みやすいが、初期の利息負担が相対的に大きめ
    → 日本の法人融資は元金均等が主流。初年度の負担は重めでも、年々ラクになるのがメリット。
  • 元金均等返済(一般的)
    毎年の元金は一定。利息は残高に応じて下がるので、年返済額は年々軽くなっていきます。

過去の関連記事:【警告】銀行が“絶対に”聞きたくない社長の言動5選!|銀行審査・注意してください

4億の使い道で“最適な借り方”は変わる

「節税すると融資を受けにくい」は本当なのか?

設備・不動産(工場/倉庫/事務所/物件)のとき

  • 返済期間=耐用年数が目安
    10年超も普通、案件によっては最長30年もありえます。
  • 設備更新や新設、倉庫・工場・事務所の建築、不動産購入などは、長い期間で“事業の寿命”に合わせる設計が基本。
  • 債務償還年数(ざっくり「借入を利益で何年で返せる?」のイメージ)は、大口の設備・不動産なら“耐用年数”まで許容されるケースもあります(例:物件の耐用年数が20年なら債務償還年数20年でも議論の余地あり)。
  • 参考記事:【設備投資で資金調達をしたい!】設備投資で失敗するパターンと注意点について解説!

運転資金(仕入・在庫・売掛の厚み)のとき

  • セオリーは短期で借りっぱなし(当座貸越の極度枠)
    当座は必要なときに引き、不要なら返す
    でも実務上は常時利用=実質“借りっぱなし”が多いです。
  • 長期で運転資金を借りるなら、基本は5年が目安、財務状況が良いと判断されれば最大で10年まで。
  • 回転資金は季節の波入金サイトに左右されるので、当座+ターム組み合わせで安定性を作るのが王道。
  • 参考記事:融資の運転資金とは?必要な資金の計算方法と調達手段を徹底解説

「自己資金はどれくらい要る?」ざっくり感覚

  • 不動産・物件購入や建築資金
    銀行の担保評価×LTV(70〜90%)が上限の目安。自己資金は評価次第。
  • 設備資金
    自己資金1〜3割が多め。リース・補助金等の合わせ技も有効。
  • 運転資金
    自己資金というより回転の設計。当座枠を売上成長や在庫厚みに合わせて増強。

いずれも共通するのは、返済額<キャッシュを作ること。ここが芯です。

審査を通す“事前の一手”5つ(実務テンプレ付き)

税理士やコンサルに任せきりで大丈夫?助言の質が資金調達を左右する

① 返済できる根拠を1枚で見せる(返済額<キャッシュ)

  • 12ヶ月の資金繰り表と、投資後のかんたんキャッシュ計画でOK。
  • 見せ方はシンプルに
    • 年返済(初年度):4億(10年・1.8%・元利均等)→ 約4,373万円
    • キャッシュ(実態ベース):本業の稼ぐ力から、税・最低限の投資・賞与などを控除
    • 余力:キャッシュ−年返済(ここがプラスなら一気に前向き)
  • 悪化ケースも1枚に(売上−20%、原価+5%、金利+1%でも回る?など)
    → 「悪い時でも返せる」を先に示すのが事前の一手

② 銀行が見たい「5点セット」

  1. サマリー1枚
    目的/調達額/返済余力(返済<CF)/担保/スケジュール
  2. 背景と必然性
    「なぜ今やる?」顧客・契約・市場の根拠(代替案との比較も一言)
  3. 数値計画(実績+3〜5年計画)
    前提(単価・稼働・人件費など)や根拠を脚注で明記しましょう
  4. 資金使途の内訳
    見積・契約・税金・登記・仲介・設計費まで諸経費を漏らさない
  5. 返済&担保方針
    期間(耐用年数)/据置/元金均等/協調比率/抵当順位図で示す

分厚い冊子より、筋の通った5枚+アルファここで8割決まると言っても大げさじゃありません。

③ 条件設計:期間・据置・担保・協調の組み合わせ

  • 期間(超重要)
    • 設備・不動産耐用年数が目安。10年超〜最大30年もありうる。
    • 運転:長期なら基本5年最大10年。短期は当座貸越で“借りっぱなし設計”が理想。
  • 返済方法
    元金均等が一般的。初年度は負担が重いが、年々軽くなるため資金繰りの見通しがよい
  • 据置
    6〜12ヶ月で立ち上がりの赤字や減益期をまたぐ。
  • 担保
    対象資産の評価に加え、追加担保のA/B/C案を用意しておくと早い。
  • 協調融資
    メイン+サブで2〜3行按分“4億の壁”を越えやすく、かつ次の投資も動きやすい。

ポイント:「耐用年数」「元金均等」「据置」のセットはCFの山谷をやわらげる万能コンボです。

④ 数字の妥当性は“紙の証拠”で固める

  • 見積
    相見積(2〜3社)税・手数料・設計費・登記・仲介まで織り込む。
  • 売上の根拠
    契約書・注文書・内示・LOI(意向表明)など紙の証拠を添付。
  • 稼働率・歩留まり・単価
    “良いケースだけ”にしない。保守ケースも必ず併記。
  • 担保評価
    査定・取引事例・路線価など出典を明記。

⑤ 稟議スケジュールを主導する

  • Week0–1
    ヒアリング→勝ち筋メモを即日共有(返済<CF、期間、据置、担保の仮説)
  • Week1–3
    5点セット+資金使途の証憑12ヶ月資金繰りを整える
  • Week3–5
    審査→追加依頼資料があれば当日中に返す
  • Week5–7
    銀行からの条件提示→期間/据置/金利/協調比率/コベナンツを交渉
  • Week7–8
    契約→融資実行

提出前チェック(抜粋)

  • 年返済(初年度)<実態ベースのキャッシュが1枚で伝わる
  • 債務償還年数10年以内、もしくは設備・不動産は耐用年数以内に収まる
  • 据置の採用理由が明記されている
  • 当座枠で季節資金を吸収できる設計
  • 担保評価の根拠追加担保プランの用意

銀行との“関係づくり”――ここが最強の近道

正直、初めましての銀行に「4億貸して」は警戒されます。

たとえ決算が良くても、「継続的にお付き合いできる相手か?」を銀行は見ています。

  • 担当者・支店長と定期的な接点を持つ(四半期ごとの業況共有、来期の投資予定の事前相談)
  • 小さな与信から積み上げ(当座枠→小型の設備→本丸の大型投資)
  • “困る前に相談”(事前の一手)…条件は“事後”より“事前”の方が柔らかいのがリアルです。

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参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由

【まとめ】“4億”は十分狙える。最短ルートはこれ

  1. 返済<キャッシュを先に作る(12ヶ月資金繰り+投資後CFの1枚化)
  2. 使い道の粒度を上げる(見積・諸税・登記・設計まで)
  3. 条件設計耐用年数/元金均等/据置/協調の組み合わせ
  4. 紙の証拠で数字を固める(契約・内示・査定・事例)
  5. 【一番大事】銀行との関係づくり日頃から(事前の一手)

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この記事を書いた人

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代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。