銀行がプロパー融資を提案してくる会社こそ「社外CFO」を入れるべき理由とは?

銀行がプロパー融資を提案してくる会社こそ「社外CFO」を入れるべき理由とは?

銀行がプロパー融資を提案してくる会社こそ「社外CFO」を入れるべき理由とは?

こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。

私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は中小企業向けに融資調達や財務戦略のサポートを行っています。

今回のテーマは、少し意外に感じられるかもしれません。

銀行からプロパー融資の提案が定期的にある。

担当者とも関係が良好。特段の融資の悩みもない。

そんな会社こそ、今のうちに「社外CFO」を導入しておくべきだというお話です。

なぜそのように言えるのか?

本記事では、「銀行評価が高い会社」にこそ見落とされがちな資金調達戦略と、社外CFOの役割について、元審査官の視点から丁寧に解説していきます。

早速!この記事の要約・ポイント
  1. 銀行がプロパー融資を積極的に提案してくる会社は「借りやすい=安心」と思いがち
  2. しかし条件の最適化・経営戦略との接続・将来リスク対応が不十分になりやすい
  3. 社外CFOが入ることで、借入条件の改善、戦略的な資金設計、リスク管理、銀行格付の安定化が可能
  4. 「借りやすい今だからこそ」将来に備えた財務戦略を整えるべき

関連記事(こちらもぜひ):プロパー融資とは?銀行からの融資の種類とプロパー融資のメリット・デメリットについて!

関連記事(ぜひ):【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」――元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?

プロパー融資を提案される企業の特徴とは?

銀行融資の「裏技」とは?見えない信頼づくりが実はカギ

まず、銀行が「保証協会付きでなく、当行単独のプロパー融資でいきましょう」と提案してくる企業には、以下のような共通点があります。

  • 直近の業績が好調(黒字・増収)
  • 自己資本比率が一定水準以上(20%以上が目安)
  • 借入金の返済状況が良好
  • 財務内容が安定しており、銀行格付けが高い
  • 担当者とのコミュニケーションが円滑で、定期的に面談や訪問がある

こうした企業は、銀行から見れば”手堅く貸せる先”です。

したがって、融資の提案が向こうから定期的に来る状態になりやすく、「うちは銀行からよく声がかかるから安心だ」という認識になりがちです。

しかし、そこに落とし穴があります。

過去の関連記事:【警告】銀行が“絶対に”聞きたくない社長の言動5選!|銀行審査・注意してください

社外CFO不在|実は“危うい”3つの盲点

「節税すると融資を受けにくい」は本当なのか?

(1)条件の最適化をしていない

銀行が提案してくる条件を、そのまま鵜呑みにしていませんか?

  • 金利は本当に妥当か?
  • 他行と比較しているか?
  • 担保条件や返済年数は?

銀行は企業に対して”ベストな提案”をしているとは限りません。

銀行にも営業ノルマがあり、銀行内の収益管理上、実はやや割高な条件を提示していることも少なくありません。

また、返済期間の設計や借入時期の分散、複数行とのバランスなど、”企業側にとっての最適化”まで考えてくれる銀行担当者は極めて少数です。

参考記事:事業資金の融資を受ける際の金利相場はどのくらい?計算方法についても徹底解説!

(2)融資と経営が分断されている

よくあるのが、「銀行から借りる話は銀行とのやりとり、経営計画や事業戦略は社内で別に考える」というパターン。

しかし、本来は

融資=経営戦略を実現するための手段

であるべきです。

  • いつ、どの事業に、いくら投資すべきか?
  • そのために必要な資金を、どう組み立てるか?
  • 返済は何年で、何%の利益を生めばよいか?

これらは銀行ではなく、企業の財務戦略として設計されるべき領域です。

ここに第三者のプロが入ることで、戦略の整合性と実行可能性が飛躍的に高まります。

参考記事:【チェックリスト有】資金調達に戦略は必要?金融のプロが徹底解説!

(3)「借りやすさ」に安心しすぎている

今は借りやすくても、将来もそうだとは限りません。

これが一番大事な話です。

  • 景気変動による格付けダウン
  • 業績の一時的な悪化
  • 担当者変更による関係性のリセット

といった変化は常に起こり得ます。

銀行格付けは年に1回更新されるため、1年後には「借りにくい会社」になっている可能性も。

借りられる時に、最も良い条件で、最も戦略的に借りておく

これが資金調達の鉄則です。

借りやすい今こそ、将来を見据えた“守りの借入”を設計すべきなのです。

関連記事:【元銀行員が本音解説】内部留保って悪なの?よくある誤解と経営者のリアルな本音

社外CFOが果たす4つの役割

税理士やコンサルに任せきりで大丈夫?助言の質が資金調達を左右する

こうした盲点に対して、銀行では代替できない「社外CFO」ならではの価値は以下の通りです。

① 借入条件の最適化

  • 複数行からの提案を比較し、企業側に有利な条件を引き出す
  • プロパーと保証付きの適切な比率を検討
  • 長期・短短の返済期間のバランスを調整
  • 金利交渉の土台となる財務資料・説明資料を整備

元銀行員、しかも元審査部出身だからこそ、銀行側の論理と審査の裏側を踏まえて「通りやすい・通しやすい設計」ができます。

② 経営戦略と資金調達の接続

  • 設備投資計画と資金繰りをリンクさせる
  • 事業成長シナリオと借入枠をマッチング
  • 粗利・利益水準をもとに返済可能性をシミュレーション

財務は経営の“裏方”ではなく“設計図”です。

社外CFOはその設計を現場と銀行の間でつなぐ存在です。

参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由

③ 長期的なリスク管理

  • 借入依存度、返済原資、キャッシュバランスなどをモニタリング
  • 一括返済タイミングを見越した再編提案
  • 突発的な資金需要(M&A、災害、後継者問題など)への備え

「今良い」ではなく、「将来も良い」を支えるのが社外CFOの役割です。

④ 銀行との信頼関係の強化

  • 提出資料の質が向上(審査官目線で作成)
  • 説明時にCFOが同席し、経営方針を補足
  • 財務管理体制が整っている=格付けに好影響

銀行側も「この会社はプロが入ってるから安心だな」と感じることで、信用力が増します。

これは金利や返済条件に直結するリアルなメリットです。

✅ 詳しく知りたい方は当社YouTubeチャンネルでも解説中! 📺【元銀行審査官ムラマツ|銀行攻略ラボ】

参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由

実例:A社の社外CFO導入による変化

節税&大口融資の両立を図るためのポイント

A社(年商10億円以上)は、複数の地銀から「プロパーで借りてください」と定期的に提案がある企業でした。

社長も銀行対応に慣れており、当初は「ウチは困ってないから大丈夫」との認識。

しかし、以下のような課題が浮かび上がってきました。

  • 設備更新のタイミングが複数年ズレており、借入と返済がバラバラ
  • 銀行ごとの金利差が最大0.6%もある
  • 担保提供の有無や保証人の条件も行ごとにまちまち

社外CFO導入後、以下の変化がありました。

  • 借入ポートフォリオの整理 → 支払利息が年間300万円削減
  • 借入スケジュールを統合 → キャッシュフローの読みやすさ向上
  • 年間事業計画を銀行向けに明文化 → 融資実行のスピードが2倍に!?

結果として、社長の融資対応ストレスが軽減し、経営に集中できる体制が整いました。

まとめ:今こそ、将来に備えた「財務戦略」を社外CFOとともに

銀行から積極的にプロパー融資の提案があるのは、間違いなく企業努力の結果であり、誇るべきことです。

しかし、

  • その条件は最適ですか?
  • 経営戦略とリンクしていますか?
  • 将来の環境変化に備えられていますか?

という問いに”YES”と自信を持って言える企業は、実はそれほど多くありません。

「借りやすい今こそ、備えるべき時」

ホンマル株式会社では、銀行の中にいたからこそわかる審査の論理と、企業経営に寄り添う立場から、最適な資金戦略を設計します。

「自社に社外CFOなんてまだ早い or 必要ないのでは?」と思っている方にこそ、ぜひ一度ご相談いただきたいテーマです。

👇こちらからご相談をどうぞ👇
https://www.honmaru.jp/contact

参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説

  • ✅ 対応地域:全国OK(Zoom・電話対応可能)
  • ✅ 推奨の対象企業:年商3億円以上、設立5年以上の中小企業さま(もちろん年商規模が3億円以下でも可能です)
  • ✅ 得意分野:運送業・建設業・製造業・卸売業・不動産業 etc.

また、弊社では一緒に働く仲間も募集しています。
銀行員経験のある方は、ぜひ他の記事やYouTube動画もチェックしていただき、ご連絡いただけると嬉しいです。

この記事を書いた人

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代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。