
【速報】高市総裁決定!銀行融資と金利はどう動く?元銀行審査官の独自見解
この記事は 5分で読めます。
2025年10月4日
自民党の新総裁に高市早苗氏が選ばれました。
- 「これで金利は上がるの?」
- 「住宅ローンは?」
- 「企業融資は厳しくなる?」
――そんな声が、SNSやニュースコメント欄にも溢れています。
実は、私もこの話題、かなり注目していました。
(ちなみに私は今回の総裁選、俄然・高市さん推しでした。笑)
とはいえ、政治的な応援というよりも、経済運営・金融政策に一貫性がある点を評価しています。
そして、今回の人事が日本の金利・銀行融資の現場に与える影響は、決して小さくありません。
本記事では、
- 政策金利が今後どう動くか(つまり≒変動金利がどう動くか)
- 銀行の融資姿勢にどんな変化が起きるのか
- 経営者が今のうちに備えるべきこと
を、元銀行審査官の立場から、できるだけ平易に、しかし本質的に解説します。
※なお、本記事は各種シンクタンクや専門家の見解を踏まえつつ、最終的には私・村松の独断見解です。予想が外れたらごめんなさい(笑)。
ただし、「銀行が実際にどう動くか」を読む力には、多少の自信があります。
※↓総裁選スタート時期に投稿した関連記事はこちら|【中小企業必見】高市政権で資金調達に成功する5つのポイント|元銀行審査官が解説
元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。
特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。
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高市総裁誕生で何が変わる?――「急な利上げ」は回避へ
高市氏の政治スタンスは、明快です。
それは、「国民生活を守る安定成長を優先し、急激な引き締めは避ける」というもの。
実際、これまでの発言を振り返っても、
- 「いま利上げを急ぐべきではない」
- 「賃金が上がるまでは金融引き締めは慎重に」
というトーンが一貫していました。
つまり、
今後の金融政策は「急な利上げは避けるが、緩やかに正常化していく」
という路線になる可能性が高い、というのが私の見立てです。
特に注目すべきは、政治と日銀の距離感。
日銀は独立機関ですが、実際には政権の方針や社会的圧力が少なからず影響します。
高市政権では、財政出動や成長投資を重視する傾向が強まるため、日銀としても「景気を冷やすほどの利上げ」は控える方向に動くでしょう。
この点でいえば、市場が懸念していたような“急ブレーキ的な利上げ”は、まずない。
むしろ、政策金利はしばらく据え置き、もしくは0.25%単位でゆるやかに上昇するイメージです。
※参考記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」――元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?
政策金利と長期金利――現実的なシナリオは「ゆるやか上昇」
現時点の政策金利は0.50%。
(※この政策金利の増減がいわゆる銀行の変動金利の増減にほぼ連動します。)
これは、日銀が17年ぶりにマイナス金利を解除した後、初期の水準ですね。
では、これが今後どう動くか。
私は次のようなシナリオを想定しています。
時期 | 政策金利(短期) | 10年国債利回り(長期) | コメント |
---|---|---|---|
~2025年末 | 0.50〜0.75% | 1.6〜1.9% | 据え置きが基本だが、年末に+0.25%もあり得る |
2026年前半 | 0.75〜1.00% | 1.8〜2.1% | 賃金上昇が定着すれば、もう一段の引き上げへ |
つまり、“上げるとしてもゆっくり”。
「市場の動きに追随するかたち」での段階的な引き上げが基本線です。
ただし、注意すべきは長期金利(10年国債利回り)。
これはすでに1.6〜1.7%前後まで上昇しており、銀行や保険会社は既に「金利上昇前提」でポートフォリオを組み直し始めています。
そのため、実際に企業が借りる際の長期固定金利(例えば10年融資)は、じわじわ上がり始めています。
いわゆる「フラット35」などの住宅ローンも同様です。
※10/6・18時追記:市場が即反応、「高市トレード」再燃
2025年10月6日、東京市場はまさに“高市トレード”が再燃した一日となりました。
日経平均株価は一時 4万7900円台(前週末比+2200円) まで急伸し、過去最高値を更新。
一方で円相場は 1ドル=150円台前半まで下落し、為替市場でも円安が進行しました。
背景にあるのは、「財政拡張×金融緩和継続」という政策期待。
外需株・防衛関連・半導体・電力など政策テーマに沿った銘柄が軒並み上昇し、
とくに三菱重工(+15%)、IHI(+16%)など防衛関連が象徴的な値動きを見せました。
また、長期金利(10年国債利回り)は 1.67% まで上昇。
2008年以来の高水準で、国債のスティープ化(長期金利の上昇傾向)が明確になっています。
市場の動きが示しているのは、
「急な利上げはないが、緩やかな金利上昇局面に入った」ということです!
企業にとっては、いまが長期固定金利の見直しや資金調達の好機ともいえます。
※おすすめ記事: 設備投資は銀行融資を活用せよ!審査目線から読み解く“成功の鍵”とは?
元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。
特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。
銀行の融資現場では、何が起きるのか?
銀行の審査現場は、経済ニュースよりも慎重で現実的です。
たとえば、金利上昇局面に入ると、銀行員はこんな行動をとります。
- 審査に使う“返済能力(DSCR)”をより厳しく見る
- 設備資金よりも運転資金を優先(リスク低減)
- 「将来キャッシュフロー」を保守的に見積もる
つまり、「お金を貸さない」というよりも、
“貸すまでに時間をかける”ようになります。
とくに、5億円以上の大型プロジェクトや工場・倉庫建設などでは、「もう一度事業計画を見直して」と言われるケースが増えるでしょう。
つまり、同じ内容の計画書を提示しても“1年前よりも追加資料を求められる回数”が増えるイメージ。
これは、銀行審査官側の心理としては非常に自然です。
金利上昇=将来の利払いリスク増加。
だから「万が一のときに回収できるか」をより慎重に見る。
要するに、融資審査の「スピード」が落ちる局面に入ると考えておくのが現実的です。
おすすめ記事:銀行から10億円の融資を受けるには?協調融資・融資審査のポイント
経営者が“今すぐできる”3つの備え
では、この局面で経営者はどう動くべきか?
私が現場でお伝えする「即実践すべき3つのポイント」をご紹介します。
① 金利上昇に備えた“固定化・長期化”戦略
変動金利のまま大口融資を抱えている場合、金利が1%上がるだけで、年間の利息負担は数百万円単位で変わります。
一部を固定金利化したり、返済期間を延ばしてキャッシュフローを安定させるだけでも、リスクヘッジ効果は大きいです。
② 資金繰り表・返済計画を「見える化」
銀行が最も安心するのは、「借りたお金の返し方が数字で見える」こと。
返済年数、DSCR(債務返済余裕倍率)、営業CFなど銀行が特に気にする数字を3年分のシミュレーションとして整理しておくと、審査官の印象は一気に変わります。
「ちゃんと見てる会社だな」と思われるだけで、稟議通過率は上がります。
③ 銀行担当者との定期コミュニケーション
金利が上がる局面では、銀行内での「担当者裁量」が狭くなります。
だからこそ、“こまめな情報共有”が大切。
たとえば四半期ごとに、決算報告や主要KPIを共有するだけで十分。
「信用残高」「信頼貯金」がある会社ほど、金融引き締め期にも資金が回りやすいのです。
※おすすめ記事:宋世羅さんの“補欠論”が刺さったので、財務コンサル目線で語ります
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まとめ|金利よりも、信用力が企業を守る

今回の高市総裁就任は、「日本経済にとって悪くない転換点(むしろ良い転換点)」だと私は思っています。
理由は、急な金利ショックを避けつつ、着実に“正常化”へ向かう姿勢を打ち出しているからです。
たしかに金利は少しずつ上がるでしょう。
でも、それよりも大事なのは、自社の信用力を磨くこと。
金利を完全に読める人はいません。
けれど、“銀行からの見え方”を整えることは誰にでもできます。
それこそが、今後の企業防衛の第一歩と考えています。
最後に一言。
今回の記事は、私自身の市場ウォッチと現場感覚をもとに書いています。
専門家の間でも意見は分かれますし、予想が外れることもあります!
ただ、元銀行審査官として2,000社以上を見てきた経験から言えるのは――
「金利の波を読むより、信頼の土台を積むほうが早い。」
ということ。
補足|ホンマル株式会社について
私が代表を務めるホンマル株式会社では、
銀行融資や財務戦略のプロとして、
「大口融資調達サポート(スポット支援)」および「社外CFOサービス(顧問)」を提供しています。
銀行目線での計画書作成、資金繰り改善、融資交渉まで、すべて“審査部目線”でサポートします。
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参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
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銀行員経験のある方は、ぜひ他の記事やYouTube動画もチェックしていただき、ご連絡いただけると嬉しいです。


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