銀行が“またこの社長に貸したい”と思う3つの習慣 ─
元銀行本部審査官が語る「銀行融資に強い社長」の共通点

こんにちは。
ホンマル株式会社の代表・村松です。
私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は主に中小企業・中堅企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、財務顧問(社外CFO)を行っています。
その経験から強く感じていることがあります。それは、
「銀行から好かれる社長には、共通する“習慣”がある」
ということです。
決算書が完璧でなくても、業績に山あり谷ありでも、「この会社には、なんとか応えてあげたい」と銀行が感じる社長がいます。
一方で、決算数値だけ見れば悪くないのに、なぜか銀行の動きが鈍い会社もあります。
この違いは何なのか?
本記事では、元銀行本部審査官としての実体験をもとに銀行が“またこの社長に貸したい”と思う3つの習慣 を解説し、
最後に、今日から取り組めるチェックリストとアクションプランをお伝えします。
この記事は8分で読めます
- 銀行が見ているのは「決算の点数」だけではなく、社長のスタンスや習慣
- 「また貸したい」と思われる社長には、共通する3つの行動パターンがある
- 悪い情報ほど「先に・自分から」話す
- 数字と現場ストーリーをセットで語れる
- 短期の金利より「長期の関係性」を重視する
- 逆に、「条件交渉ばかり」「悪い情報は隠す」社長は、審査で“守られにくい”
- 記事後半では、今日からできるセルフチェックリストと、銀行との関係を整えるための具体アクションを紹介
- 「うちはどうだろう?」と思ったタイミングが、銀行との付き合い方を見直すベストタイミング
元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。
特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。
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銀行にとっての「良いお客さま」とは?
少しだけ銀行側の頭の中を整理しておきます。
銀行が融資先を評価するとき、もちろん
- 売上・利益
- 自己資本比率
- キャッシュフロー
- 担保・保証
といった「数字」は非常に重要です。
ただ、それと同じくらい、あるいは長い目で見るとそれ以上に重視されるのが
「この社長と、この会社と、長く付き合えるか?」
という視点です。
銀行の中でよく使われる言葉に、
- 「付き合いやすい会社」
- 「守ってあげたい先」
というフレーズがあります。
ここに入るかどうかは、決算書の数字だけでは決まりません。
日頃からのコミュニケーションや、社長のちょっとした言動が積み重なって決まっていきます。
その「付き合いやすさ」を作っているのが、これからお伝えする3つの習慣です。
習慣①|悪い情報ほど「先に・自分から」話す社長
正直に言うと、銀行が一番困るのはこんなパターンです。
- 決算の着地が悪くなっているのに、何も言ってこない
- 実はリスケがあるのに、他行等から先に情報が入る
- 稟議を進めてから「実は…」と大きな問題が出てくる
銀行が本能的に嫌うのは、
「後出しのサプライズ」
です。
「悪い話をしたら貸してもらえない」は誤解
多くの経営者の方と話すと、
「悪い話をしたら、融資を断られそうで…」
という心理が働いていることがよくあります。
ですが実務の現場では、
- 早めに相談してくれた会社
- 誠実に説明してくれた会社
のほうが、結果的に支援が続きやすいのが現実です。
なぜかというと、
- 早く知れば、打てる手が多い
- 「この社長は隠さない」と分かれば、稟議で守りやすい
からです。
銀行が安心する“話し方”の例
例えば、こんな言い方ができると、銀行としてはとても助かります。
「今期は正直、かなり厳しい着地になりそうです。主な理由は〇〇で、売上が△△%落ちています。
ただ、すでに××という対策を始めていて、来期は□□まで戻すイメージです。」
「〇月時点で、主要な取引先が倒産しました。
影響は年間売上の約○%です。現在、新規の販路開拓とコスト削減で穴埋めをはかっています。」
ここまで説明してくれる社長であれば、銀行としても
「厳しいけれど、ちゃんとハンドルを握っている」
と判断しやすくなります。
ポイントは「悪い情報+対応策」をセットで出すこと
単に「業績が悪い」とだけ言われると、審査は止まります。しかし、
- 何が起きているか(現状)
- なぜそうなったか(原因)
- どう対応しようとしているか(対策)
まで話してもらえると、銀行は「シナリオ」を描けます。
業績が悪い会社=嫌われるのではなく、悪いことを隠す会社が嫌われる ← ここを押さえておいてください。
習慣②|数字と現場ストーリーを「セット」で話せる社長
2つ目は、
「決算書の数字」と「現場のストーリー」をセットで語れる
という習慣です。
銀行は数字を見るのが仕事ですが、数字だけでは分からないことがたくさんあります。
銀行が本当に知りたいのは「背景」
例えば、こんな数字の動きがあったとします。
- 売上が前年比+15%
- でも営業利益は+3%にとどまる
- 粗利率が一時的に落ちている
このとき銀行が知りたいのは、
- 値下げをして売上を取りにいった結果なのか
- 仕入価格が上がったのか
- 新規事業の投資で一時的に利益を削っているのか
という“背景ストーリー”です。
数字とストーリーの「往復」ができるか
銀行から見て安心できる社長は、こんな会話ができます。
「売上が増えたのは、既存顧客向けの単価アップがメインです」
「粗利率が落ちたのは、新規取引先の立ち上げに伴うキャンペーン価格が原因です」
「設備投資は最初の2年は償却負担が重いですが、3年目以降は人件費削減効果が出る見込みです」
すべての数字を暗記している必要はありません。大事なのは、
- 主要な数字の動き
- その要因
- 今後の見通し
を、自分の言葉で説明できるかどうかです。
逆に、
- 決算書は税理士任せ
- 「なぜこの数字になっているのか」が社長の頭の中で整理されていない
- 現場の熱い話はあるけれど、数字と接続していない
という状態だと、銀行(審査)側はどうしても不安を感じます。
「この会社のハンドルは、誰が握っているんだろう…?」
という疑問が湧いてしまうのです。
※あわせて読みたい → ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
習慣③|短期の利率より「長期の関係」を重視する社長
3つ目は、「金利0.1%」よりも「付き合い方」を大事にする という習慣です。
もちろん、金利は安い方が良いです。しかし、銀行から見た「良いお客さま」は、
金利だけで動かない社長
です。
銀行が困るパターン
例えば、こんなケースは正直あまり好まれません。
- 毎年のように金利の値下げ交渉だけ持ち込まれる
- 条件の良い銀行があればすぐに借り換えを検討する
- 普段は連絡がほとんどなく、困ったときだけ駆け込んでくる
こういう取引姿勢だと、銀行側は本音では
「良い条件のときだけ使われているのかも…」
と感じてしまいます。
「守ってあげたい先」になる会社の特徴
一方で、銀行が「守ってあげたい」と感じる会社は、
- 良いときも悪いときも、継続的に情報共有してくれる
- 新しい投資の構想が出た段階で、早めに相談してくれる
- 「メインバンクとして、これからもお願いしたい」というメッセージを伝えてくれる
こうした会社に対しては、多少リスクがあっても
「なんとか応えてあげたい」
「ほかの案件より優先して検討したい」
という空気が生まれやすくなります。
銀行も人間の集まりです。
「この社長と、この会社と、5年・10年付き合っていきたいか?」
という感覚的な部分も、実は融資判断にじわじわ効いてきます。
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今日からできる「3つの習慣」セルフチェック
ここまで読んでいただいて、
「うちはどうだろう?」
と感じた方のために、簡単なチェックリストを用意しました。
チェック①|情報開示のタイミング
- 決算が悪くなりそうなとき、銀行より先に自分から説明しているか?
- トラブルや大型の赤字が出たとき、「落ち着いてから」ではなく「起きたタイミング」で相談しているか?
チェック②|数字とストーリーの整理
- 「なぜ売上・利益が動いたのか」を、自分の言葉で3分以内に説明できるか?
- 設備投資や新規事業の「狙い」と「結果」を、数字も含めて語れるか?
- 決算説明資料や簡単なレジュメを、毎期つくっているか?
チェック③|付き合い方のスタンス
- 金利や条件だけで、金融機関を選んでいないか?
- メインバンクに対して、「長く付き合いたい」というメッセージを明確に伝えているか?
- 良いときも悪いときも、同じ担当者と定期的に面談の機会を持てているか?
少し耳が痛い項目もあったかもしれません。
ただ、これらはどれも今日から変えられるスタンスの話です。
完璧である必要はありません。
1つずつ、できるところから積み上げていくことで、銀行からの見え方は確実に変わっていきます。
おすすめ記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
忘れられない「また貸したい社長」の話
最後に、銀行員時代のエピソードを一つだけ紹介します。
決算だけを見ると、決して優等生とは言えない会社がありました。
- 売上は伸びているが、粗利率は年によって波がある
- 新規事業への投資も多く、キャッシュフローはきれいではない
- エリア的にも、決して追い風とは言えない地域
それでも、その社長は毎年のように銀行に足を運び、
- 良い数字も悪い数字も、隠さず話してくれる
- 現場の工夫や失敗も、楽しそうに共有してくれる
- 「だからこそ、銀行さんにもちゃんと見ていてほしい」と言ってくれる
そんな方でした。
結果としてその会社には、何度も難しい案件を「前向きに検討しよう」と、銀行側から動く場面がありました。
決算書だけ見れば、もっと綺麗な会社はたくさんあります。
それでも、あの社長とは
「またこの社長と仕事がしたい」
と自然に思えたのです。
最後に|ホンマル株式会社がお手伝いできること

この記事を読んで、
- 「うちの銀行との付き合い方、これでいいのか一度整理したい」
- 「決算説明や事業計画を、銀行目線で整えたい」
- 「“好かれる社長の習慣”を、自社バージョンに落とし込みたい」
と感じられた方もいらっしゃると思います。
ホンマル株式会社では、
- 大口の銀行融資調達サポート
- 中長期で伴走する社外CFO(財務顧問)
という形で、銀行との付き合い方から資金戦略までをトータルで支援しています。
元銀行本部審査官として、
「審査部が何を気にするのか」
「どう説明すると通りやすいのか」
を踏まえたうえで、
- 決算説明資料の作成
- 事業計画・返済計画の設計
- 銀行面談の事前準備・必要に応じて同席
などを一緒に進めていきます。
まずはライトに相談してみたい方へ
- 「数字は正直あまり得意じゃない」
- 「銀行との付き合い方を変えたいけれど、どこから手をつければいいか分からない」
そんな方にこそ、今回のようなテーマは役立つと感じています。
お問い合わせフォームから「ブログ(銀行がまた貸したい社長の3つの習慣)を見た」と書いていただければ、話がスムーズです。
いきなり大掛かりな契約ではなく、今の状況をざっくり教えていただくところからで大丈夫です。
銀行との関係性は、一度整えてしまえば、何年にもわたって効いてくる“資産” になります。
この記事が、その第一歩になれば嬉しく思います。
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参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
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