
【経営者保証の解除】銀行融資で社長保証を外す方法と実務のポイント
この記事は8分で読めます
こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。
私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は中小企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、社外CFOを行っています。
今日取り上げるのは「経営者保証の解除」についてです。
元銀行員として、財務コンサルタントとして、経営者保証を外す方法とポイントをお伝えします。
- 「経営者保証の解除」は、経営者個人の人生リスクを大幅に減らす財務戦略。
- 金融庁ガイドラインの強化で、以前よりも解除の可能性が広がっている。
- 銀行が解除に応じる条件は「財務健全性」「法人・個人の分離」「情報開示」の3本柱。
- 解除交渉は段階を踏むのが現実的。まずは「打診→改善→再交渉」の流れを意識する。
- 利率上昇や融資額の圧縮リスクもあるため、全体の資金戦略と合わせて検討することが重要。
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スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。
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経営者保証とは?なぜ外す(解除)必要があるのか

多くの中小企業が銀行から融資を受けるとき求められるのが「経営者保証」。
これは、万一会社が返済不能になった場合に社長個人の資産で返済を肩代わりするという約束です。
言い換えれば、会社が破綻した瞬間に、社長個人の自宅や貯蓄、場合によっては退職金まで巻き込まれるリスクがあります。
「事業の失敗=人生の転落」という構造を生んでしまうのが経営者保証です。
経営者保証の解除は、この「個人と法人の運命共同体」から抜け出すための大きな一歩といえます。
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金融庁ガイドラインで追い風が吹いている

実は国も、このリスクを課題視してきました。
2014年に「経営者保証に関するガイドライン」が施行され、2023年からはさらに運用が強化。
金融庁は銀行に対して
「条件を満たす企業には、原則として経営者保証を付けない融資をすること」
を求めています。
つまり今は「外せるチャンス」が制度的に広がっているのです。
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【実務目線】経営者保証を解除できる条件

では、どんな企業なら解除に応じてもらえるのでしょうか。
多くの観点があるのですが、ここでは簡単に、銀行審査の現場で重視される4つのポイントについて説明します。
1. 財務の健全性
- 自己資本比率が10〜20%以上ある
- 債務超過ではない
- 黒字が続いている、または黒字化の見通しが立っている
銀行は「会社の体力」があるかをまず見ます。赤字・債務超過では解除は難しいのが実情です。
2. 法人と個人の分離
- 社長の財布と会社の口座を混同していない
- 決算書や帳簿の信頼性が高い(税理士が関与)
- 資金繰り表・事業計画を提示できる
「社長=会社」という見え方を断ち切ることが重要です。
3. 担保や代替保証
- 不動産などの担保を差し出せる場合は有利
- 無担保でも、財務内容が健全であれば解除の余地あり
4. 経営者個人の信用
- 社会保険や給与を適切に処理している
- 税金を滞納していない
- 個人の借入に事故歴や延滞がない
銀行は「社長個人の信用」を必ずチェックします。
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経営者保証解除における銀行交渉ステップ

解除は「お願いすればできる」ものではありません。
現実的には次のステップを踏むのが王道です。
ステップ1|現状を棚卸し
- 自己資本比率、債務償還年数、利益剰余金を整理
- 「今の状態で外れる余地があるか」を把握
ステップ2|銀行に打診
- メインバンクに「保証解除の可能性はありますか?」と相談
- 多くの場合「現状では難しいが、この条件を満たせば可能」という答えが返ってくる
ステップ3|改善に取り組む
- 黒字化、資本増強、資金繰り管理の徹底
- 銀行が挙げたハードルを一つずつクリアしていく
ステップ4|再交渉
- 改善後に再び交渉
- 「まずは一部融資から保証解除」を狙うのも有効
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経営者保証解除の注意点と落とし穴

- 利率や条件がシビアになる
→ 保証解除の分、銀行はリスクを利率や融資額で調整する可能性があります。 - すべての銀行が前向きとは限らない
→ 地銀や信金は制度に沿いつつも、実務では保守的に対応するケースが多いです。 - 「断られた理由」は宝物
→ 解除が無理でも、その理由を聞くことで「次に改善すべき課題」が明確になります。
経営者保証解除と「M&A」との関係

「経営者保証の解除」は、M&Aを検討している企業にとっても重要です。
後継者や買い手が見つかっても、社長個人の保証が残っていると話が進みにくくなるからです。
保証を外すことは、事業承継・M&Aの成功確率を高める「布石」にもなります。
まとめ|経営者保証の解除は重要な財務戦略

「経営者保証の解除」は経営者にとって人生のリスクを大幅に減らす重要な財務戦略です。
金融庁の後押しもあり、可能性は広がっていますが、実際には財務健全性・法人個人の分離・銀行との信頼関係が揃っていないと実現は困難です。
まずは現状を整理し、メインバンクに打診してみましょう。
断られても、その理由を改善することが解除への近道となります。
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