系統用蓄電池ビジネスとは?融資調達は?三菱倉庫が400億円投資!【日経新聞解説】

三菱倉庫が400億円投じて「蓄電事業」に参入!

系統用蓄電池ビジネスとは?融資調達(融資)は?三菱倉庫が400億円投資!【日経新聞解説】

出典:日経新聞(2025年8月23日朝刊)記事はこちら

こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。

私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は中小企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、社外CFOを行っています。

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早速!この記事の要約・ポイント
  1. 三菱倉庫が物流・不動産に続く第3の柱として「系統用蓄電池事業」に参入
  2. 2030年度までに400億円超を投じ、国内7カ所に蓄電所を整備
  3. 倉庫用地は「広くて搬入しやすい」ため、大型蓄電池の設置に最適
  4. 電気を安い時間に貯め、高い時間に売る「時間差取引」で収益化
  5. 2030年度には売上高100億円を目標に掲げる
  6. 銀行融資の姿勢は慎重。国策の後押しはあるが、審査のハードルは高い
  7. 投資規模は数億円単位。融資調達には専門家の伴走が有効
相談は無料

元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。

特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。

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はじめに|物流会社がなぜ蓄電池?

「物流の会社が、なぜ蓄電池?」

このニュースを聞いて、驚いた方もいたのではないでしょうか。

三菱倉庫といえば、物流や不動産で長い歴史を持つ老舗。

そんな同社が、新たに「系統用蓄電池事業」へ参入すると発表しました。

投資額は400億円超、国内7カ所に大型蓄電池を整備するというのです。

単なる事業多角化ではなく、社会の大きな流れである「再生可能エネルギーの普及」と「脱炭素」に正面から向き合う挑戦でもあります。

この記事では、その狙いと背景を整理しつつ、銀行融資の現実や中小企業にとっての学びについて、わかりやすく解説します。

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系統用蓄電池事業の全体像

三菱倉庫が手がけるのは「系統用蓄電池」。

これは送電線に直接接続し、電気をためたり流したりして需給バランスを整える仕組みです。

簡単に言えば「社会全体のための巨大なバッテリー」。

スマホ用のモバイルバッテリーを街や都市の規模にスケールアップしたイメージです。

まず神奈川・埼玉に2拠点を建設し、2027年度から順次稼働予定。

その後さらに5拠点を追加し、最終的に国内7カ所で展開します。

7カ所の合計容量は70万kWh

これは一般家庭8万世帯が1日で使う電力量に相当します。スケール感の大きさがわかりますね。

系統用蓄電池ビジネスの収益モデル|「電気の時間差取引」

ビジネスモデルは基本はシンプルです。

  • 昼間など電気が余って安い時間帯に「充電」
  • 夜間など電気が不足して高くなる時間帯に「放電して販売」

まさに「安く仕入れて高く売る」商売。

違うのは、それが「電気」だという点です。

三菱倉庫はこのモデルで、2030年度に売上高100億円を目標に掲げています。物流・不動産に並ぶ第3の柱として育てる方針です。

事業スパンも長く、蓄電池の耐用年数にあたる約20年の運用を見込んでいます。

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系統用蓄電池|倉庫業ならではの強み

なぜ三菱倉庫がこの事業に向いているのか?

理由は「土地の特性」です。

倉庫用地は、もともと大型コンテナやトラックがスムーズに出入りできるように設計されています。

  • 敷地が広い
  • 道路が広く、カーブも緩やか
  • 大型設備の搬入に最適

つまり、大型蓄電池の設置に必要な条件をすでに満たしているのです。

さらに、老朽化した倉庫や遊休地が多く存在しており、それを「新しい収益源」に転用できる点も強み。

経営企画部の新井副部長も「物流用地は蓄電所への転用に向いており、アドバンテージがある」とコメントしています。

蓄電池に対する過去の知見の活用

三菱倉庫は1970年代からデータセンター事業を展開してきました。

そこでは大容量の電力を扱うため、電気設備に関するノウハウが培われています。

また、グループ会社には電気関連の有資格者も多く在籍。

施設の運営やメンテナンスを自社グループ内で担える体制を整えている点も強みです。

「物流会社が突然エネルギー事業に?」と感じるかもしれませんが、背景には既存の経験と人材資源があるのです。

再エネ拡大と蓄電の必然性

太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、環境にやさしい反面、発電量が安定しません。

昼間は余り、夜は足りない。この「波」をならすのが蓄電池です。

経産省は2030年までに累計2,400万kWh規模の蓄電池導入を予測。

国際エネルギー機関(IEA)も「2030年までに導入量を6倍に増やす必要がある」と試算しています。

つまり、蓄電池は今後ますます欠かせない存在になるのです。

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【資金調達面】銀行の融資審査姿勢 ― 慎重な理由

ここで現実的な話に触れます。

系統用蓄電池事業は将来性がある一方で、銀行融資の姿勢は依然として慎重です。

最大の理由は「トラックレコード(実績)がまだ少ない」こと。

銀行としては、

  • 本当に収益モデルが機能するのか?
  • 長期的に安定したキャッシュフローが生まれるのか?

といった点を判断しづらいため、審査は必然的に厳しくなります。

国策という追い風と銀行の融資期間の目安

ただし、蓄電池は「国策」としての色合いが濃い分野。

補助金や制度面の後押しは融資判断にプラス要因となります。

気になる融資期間は15年程度がひとつの目安。

ただし、融資を受けるにはもともと財務内容が良い企業であることが前提になります。体力の弱い会社にとってはハードルが高いのが実情です。

融資審査の通し方についてはぜひ当社ホンマル株式会社へご相談ください。

投資規模と資金調達(融資)のハードル

蓄電池事業は数億円単位の投資が必要です。

そのため「自社だけで銀行に直接相談して調達する」のは、現実的に難しいケースも多いでしょう。

ここで重要なのが、銀行と企業の間をつなぐ存在です。
ホンマル株式会社では、

  • 銀行が重視するポイントを整理した決算分析・事業計画サポート
  • 融資可能性を高める戦略的な資料作成・交渉支援
  • 経営者の労力・時間を削減する伴走型の支援

を提供しています。

銀行との「翻訳者」として並走することで、調達可能性を大幅に高めることが可能です。

中小企業が学ぶべき3つの視点

三菱倉庫の事例から、中小企業にも応用できる視点があります。

  1. 遊休資産を活かす
    眠っている土地や設備、人材も「収益源」に変えられる可能性がある。
  2. 事業の柱を増やす
    本業+新規事業で安定性を強化。銀行の評価もプラスに働く。
  3. 社会の流れに乗る
    「脱炭素」「再エネ拡大」といった国の方向性とずれていないかを常に確認する。

まとめ|系統用蓄電池ビジネス参入について

三菱倉庫の蓄電事業参入は、

  • 遊休資産の再活用
  • 第3の柱づくり
  • 社会的ニーズに応える戦略

という3つの要素を兼ね備えています。

中小企業にとっても、銀行融資の現実を踏まえつつ「どう資産を活かすか」「どう新しい柱を育てるか」を考えるヒントになるはずです。

もし自社だけで融資調達に挑むのが難しいと感じる場合は、専門家と組むことが有効です。

ホンマル株式会社は、銀行と企業をつなぐ翻訳者として、資金調達の成功可能性を高めるお手伝いをしています。お気軽にご相談ください。

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参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説

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この記事を書いた人

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代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。