
銀行から10億円の融資を受けるには?協調融資・融資審査のポイント
この記事は8分で読めます
こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。
私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、社外CFOを行っています。
今日取り上げるのは「10億円規模の融資調達」についてです。
- 銀行から「10億円規模の融資」を受けられるかどうか――
経営者にとっては企業の将来を左右するテーマです。
この記事では、銀行本部審査で2,000社以上を見てきた私が、10億円融資の審査基準・銀行の本音・突破の例をわかりやすく解説します。
- 「10億円融資」は銀行支店ではなく銀行本部審査+役員会の世界
- 1行完結は困難 → 協調融資・シンジケートが基本
- 銀行が最初にチェックするのは 「DSCR」「実態自己資本比率」「プロジェクト収益性」
- 本部審査官は「事業計画書よりも“数字の一貫性”」を最重視
- 成功の決め手は経営者の説明力と“銀行攻略のプロ”の介在
元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。
特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。
関連記事(こちらもぜひ):銀行がプロパー融資を提案してくる会社こそ「社外CFO」を入れるべき理由とは?
関連記事(ぜひ):【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」――元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?
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銀行が「10億円規模の融資」をどう位置づけているか

まず知っていただきたいのは、10億円は銀行にとっても大きな勝負額だということです。
- 数千万円の融資 → 支店長決裁でスピード感あり
- 1〜3億円の融資 → 本部審査部に回るが、案件によっては即決済もあり
- 10億円規模の融資 → 原則として「役員決裁」もしくは更に上の「役員会案件」。頭取・副頭取・取締役の合議で可否が決まることも。
つまり、「担当者や支店長を説得する」レベルを遥かに超え、銀行全体を動かす案件になります。
この段階で重要になるのは、銀行が“説明責任を果たせる”材料をこちらが用意できているかです。
経営者は「自分が借りたい金額を説明する」のではなく、銀行が役員会で説明しやすい資料とストーリーを作る必要があります。
過去の関連記事:【警告】銀行が“絶対に”聞きたくない社長の言動5選!|銀行審査・注意してください
なぜ10億円の融資調達は「協調融資」が前提なのか

大企業でなければ、10億円を1つの銀行でまるごと貸すケースは稀です。
実際には 複数銀行でリスクを分担する協調融資 が王道となります。
- 例:(福岡地場の中堅企業の場合)福岡銀行5億円+西日本シティ銀行3億円+商工中金2億円
- メリット:銀行側のリスク分散、企業側の資金調達安定化
- デメリット:資料作成・調整の手間が2倍以上
さらに規模によってはシンジケートローンも選択肢となりますが、手数料負担や契約条件のハードさから中堅企業には負担が重い場合も。
ここで大事なのは「どの銀行を軸に据えて、どう組み合わせるか」です。
経験上、地銀1行(メインバンク)を軸にしつつ、商工中金・メガバンクを巻き込む形が最も成功しやすいです。
関連記事:【元銀行員が本音解説】内部留保って悪なの?よくある誤解と経営者のリアルな本音
銀行の本部融資審査で必ず見られる数字

10億円融資を検討する審査官が、まず赤ペンを入れるのは次の3点です。
- DSCR(債務返済余裕倍率)
- 1.2倍を下回れば一気に警戒モード
- 「10億円借りてもキャッシュで返せるか」を冷徹に判断
- 詳細記事はこちら:【2025年最新】銀行審査は“ここで決まる”!融資を通す3つのポイントを元審査官が公開
- 実態自己資本比率
- 簿価ベースではなく、含み損益を加味した「実態」で計算
- 20%を切ると「借入膨張リスク」が疑われる
- 詳細記事はこちら:銀行融資の審査ポイント|自己資本比率は“見た目”じゃなく“中身”を見られています
- プロジェクト収益性(EBITDA)
- 特に不動産・倉庫・製造設備投資では「何年で回収できるか」を数字で検証
- 私が審査部にいた頃、10億円超案件では特に細かく検証していました
この3点を押さえていない事業計画書は、正直「読む価値なし」と切り捨てられます。
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参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由
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【10億円融資】経営者の説明が9割を決める?

ここで誤解が多いのですが、融資は資料だけで決まるわけではありません。
10億円規模になると、最終的には「経営者がどれだけ腹落ちする説明をできるか」が決め手とも言えます。
- 数字の根拠を自ら語れるか
- 逆質問に対して即答できるか
- 「もし計画通りにいかなかった場合の次の一手」を準備しているか
私の経験上、同じ財務内容でも社長の説明力次第で可否が180度変わるケースがありました。
銀行員は「人」に融資する、という原則は10億円でも変わらないのです。
おすすめ記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」ーー元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?
10億円規模・融資成功の事例

※以下はあくまで参考事例です。実際の結果を保証するものではありません。
ケース1|物流倉庫建設(総投資12億円/借入10億円)
- 主力銀行を幹事に据え、商工中金・地銀を巻き込む協調融資を実現
- ポイントは「荷主契約の仮契約を先に結んだ」こと
- 銀行は「返済原資が見える」ことで一気に融資姿勢が前向きに
ケース2|製造業の大型設備投資(借入8億円→10億円へ増額交渉)
- 製造業で10億円設備投資 → 新ラインを導入する計画。
- 初回審査:売上予測が“想定ベース”で弱いと指摘
- 改善策:主要取引先2社から「長期供給契約(年間○億円)」の書面を取得し、計画に織り込み直した
- 結果:返済原資の信頼性が高まり、10億円フル承認
- 銀行にとって「売上が確約されている=返済根拠が固い」ことは最大の安心材料です。
これらの案件に共通していたのは、銀行が安心できる「数字の裏付け」を準備していたことです。
【10億円融資】経営者が取るべき具体的アクション

- 事業計画書を“銀行仕様”に作り直す
売上高の夢物語ではなく、DSCR・EBITDAベースで整合性を重視 - 資金繰りシミュレーションを最低3パターン用意
楽観・中立・悲観の3ケースで「返済余力の幅」を提示 - 幹事銀行を早めに決める
複数行同時打診ではなく、まず「旗振り役」を決めるのが鉄則 - 銀行攻略の専門家を入れる
短期的には「よりスムーズに、より好条件の調達」を果たせる可能性を上げる
中長期的には「伴走可能な専門家」であればなお安心
まとめ|10億円規模の融資調達は戦略次第で突破できる

10億円融資は、銀行にとっても企業にとっても大勝負の案件です。
- 支店レベルでは決まらない
- 協調融資が前提
- 銀行は「返済能力と一貫性」を最重視
- 経営者の説明力が結果を左右する
成功させるためには「銀行内部の視点で戦略を立てること」が不可欠です。
ホンマル株式会社では、
- 銀行本部審査で2000社以上を見てきた経験を持つ代表が、
- 10億円規模の融資調達を銀行目線で設計・資料作成・交渉支援いたします。
「うちでも10億円融資は可能か?」と感じられた方は、ぜひ下記フォームからご相談ください。
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参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
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