民泊で銀行融資は通る?元銀行審査官が教える成功のポイント

民泊で銀行融資は通る?元銀行審査官が解説する成功のポイントと資金調達法

民泊で銀行融資は通る?元銀行審査官が教える成功のポイント

この記事は8分で読めます

こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。

私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、社外CFOを行っています。

今日取り上げるのは「民泊と銀行融資」についてです。

  • 「民泊を始めたいけど、銀行からお金を借りられるのかな?」
  • 「1棟は運営しているけど、次の物件にチャレンジするときに融資って通るの?」

そんな疑問をお持ちの方に向けて、元銀行員で融資審査を2,000件以上見てきた私が、民泊と銀行融資のリアルをお話しします。

融資は「準備の仕方」で結果が大きく変わります。民泊を始めたい方も、これから拡大したい方も、ぜひ最後まで読んでみてください。

早速!この記事の要約・ポイント
  1. 民泊で銀行融資が難しいといわれる理由
  2. 開業時(1棟目)と、増やすとき(2棟目以降)の違い
  3. 公庫・地銀・信金・ノンバンクの使い分け方
  4. 銀行担当者が納得する事業計画書の作り方
  5. 融資の成功・失敗の参考事例
相談は無料

元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。

特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。

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民泊事業と銀行融資の基本

銀行融資の「裏技」とは?見えない信頼づくりが実はカギ

まず知っておきたいのは、民泊は“事業融資”扱いになるということです。

「住宅ローンの延長で借りられるんじゃないの?」と思う方もいますが、銀行はそう簡単には貸してくれません。

住宅ローンを勝手に民泊に転用すると契約違反(いきなり全額返済請求)になるリスクすらあります。

銀行が見ているのは「これは宿泊ビジネスである」という点。だからこそ、事業計画や収益性、運営体制までしっかり説明する必要があります。

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なぜ銀行は民泊融資に慎重なのか?

「節税すると融資を受けにくい」は本当なのか?

民泊の融資は、銀行からすると「ちょっとリスクが高い」と見られがちです。

理由は大きく4つ。

  1. 稼働率が読みにくい
     季節や観光需要に左右されやすいので「安定収入」と言い切れない。
  2. 規制リスク
     法律や地域のルールが変わると、急に営業できなくなる可能性も。
  3. 実績不足(事業者側&銀行側)
     特に1棟目は「実際に運営できるか分からない」ので、銀行は慎重になります。
     加えて、民泊自体がここ数年で急激に伸びてきた業種。
     銀行目線では「融資期間は10年以上。開業後数年間ならまだしも、将来の収益性が不明瞭」と考えてしまいます。
  4. 外部要因
     コロナ禍のように、観光客が来なくなるリスクもある。

銀行は「ちゃんと返してもらえるか」が最重要なので、不安要素があると簡単には首を縦に振ってくれないのです。

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民泊1棟目と2棟目以降で融資審査の見方が違う

税理士やコンサルに任せきりで大丈夫?助言の質が資金調達を左右する

1棟目(開業時)

ここでは「信用ゼロからの挑戦」になります。銀行が特に見るのは

  • 自己資金(できれば総額の2〜3割は出してほしい・ケースバイケースでは自己資金ほぼ無しでも可能な場合も)
  • 経営者のプロフィール(本業の収入や職歴)
  • 市場調査の有無(需要を裏付けるデータがあるか)

正直、最初の1棟目が一番ハードルが高いです。計画の丁寧さと自己資金の厚みで勝負しましょう。

2棟目以降(増設時)

ここからは一気に変わります。

  • 既存施設の稼働率や売上
  • 返済がちゃんとできているか
  • 利益が残っているか

つまり、「1棟目をどう運営してきたか」が最大の判断材料。

しっかり実績を出していれば、「これなら追加投資しても大丈夫そうだ」と銀行も判断しやすくなります。

✅ 詳しく知りたい方は当社YouTubeチャンネルでも解説中! 📺【元銀行審査官ムラマツ|銀行攻略ラボ】

参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由

民泊融資に使える金融機関の種類

節税&大口融資の両立を図るためのポイント

日本政策金融公庫(公庫)

  • 創業時に一番頼りやすい存在
  • 比較的金利が低く、無担保・無保証で借りられるケースもあり
  • ただし融資実行まで時間がかかることも

※参考:日本政策金融公庫

信用金庫・地方銀行

  • 地域密着型なので、観光振興や地元活性化と絡めると前向きに見てもらえる
  • 増設など長期的に取引を続けるなら、信金・地銀との関係づくりは必須

ノンバンク

  • 「スピード重視」で借りられるのがメリット
  • ただし金利が高いので、短期のつなぎ程度に考えるのが賢明

※参考:三井住友トラストL&F「民泊事業ローン

おすすめの流れは、「1棟目は公庫+自己資金」「2棟目以降は信金や地銀」

ノンバンクはどうしても銀行でダメなときにだけ利用、というのが現実的ですし基本的には私は推奨しません。

公庫や銀行で融資審査が通らない場合は、考え方としては「収益性、将来性の観点でリスクが高い」と判断されたということ。

このような場合に無理してノンバンクで調達するのは、長期的に見て悪手かもしれません。

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【民泊融資】銀行担当者を納得させる事業計画書の作り方

コンサルと成果を出すために企業側がすべきこと

銀行担当者は「この案件を上司に説明できるか?」を気にします。つまり、根拠のある数字が重要です。

  • 稼働率シナリオ
    楽観・普通・悲観の3パターンを用意
  • 運営体制
    清掃、予約管理、集客をどう回すか
  • 収支計画
    売上の根拠と、経費の内訳をきちんと見せる
  • 既存実績(増設時)
    実際の売上や返済履歴をデータで示す

「これならイメージしやすい」と思わせられれば、担当者が稟議で通しやすくなります。

【民泊融資】成功事例と失敗事例(参考)

融資コンサル会社の得意分野を見極める重要性

※以下はあくまで参考事例です。実際の結果を保証するものではありません。

成功事例

  • 1棟目は公庫融資+自己資金でスタート
  • 稼働率85%を維持し、黒字経営を証明
  • その実績を武器に、信金から3,000万円の融資で2棟目をオープン

失敗事例

  • 自己資金ゼロで銀行に持ち込む
  • 市場調査も不十分で、計画がふわっとしていた
  • 「返済可能性が見えない」と判断され、複数行に断られる

成功と失敗の分かれ目は「自己資金」と「事業計画の具体性」です。

まとめ|民泊融資は戦略次第で突破できる

  • 民泊は「事業融資」として扱われるので、住宅ローンの延長では借りられない
  • 1棟目は自己資金と計画勝負、2棟目以降は実績がモノを言う
  • 公庫→信金・地銀の流れが王道。ノンバンクは補助的に
  • 銀行が欲しいのは「説明できる数字」と「安心できる実績」
  • 「民泊を始めたいけど、銀行から借りられるか不安…」
  • 「もう1棟増やしたいけど、どの金融機関にどう話せばいい?」

そんな方は、元銀行審査官が率いるホンマル株式会社の大口融資調達サポート/社外CFOサービスにぜひご相談ください。

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👉 お問い合わせ:大口融資調達サポート|ホンマル株式会社

参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説

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銀行員経験のある方は、ぜひ他の記事やYouTube動画もチェックしていただき、ご連絡いただけると嬉しいです。

この記事を書いた人

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代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。