銀行から10億円の融資を受けるには?協調融資・融資審査のポイント

銀行から10億円の融資を受けるには?協調融資・融資審査のポイント

銀行から10億円の融資を受けるには?協調融資・融資審査のポイント

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こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。

私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、社外CFOを行っています。

今日取り上げるのは「10億円規模の融資調達」についてです。

  • 銀行から「10億円規模の融資」を受けられるかどうか――

経営者にとっては企業の将来を左右するテーマです。

この記事では、銀行本部審査で2,000社以上を見てきた私が、10億円融資の審査基準・銀行の本音・突破の例をわかりやすく解説します。

早速!この記事の要約・ポイント
  1. 「10億円融資」は銀行支店ではなく銀行本部審査+役員会の世界
  2. 1行完結は困難 → 協調融資・シンジケートが基本
  3. 銀行が最初にチェックするのは 「DSCR」「実態自己資本比率」「プロジェクト収益性」
  4. 本部審査官は「事業計画書よりも“数字の一貫性”」を最重視
  5. 成功の決め手は経営者の説明力と“銀行攻略のプロ”の介在
相談は無料

元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。

特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
スムーズに、より好条件の融資調達を果たします。

関連記事(こちらもぜひ):銀行がプロパー融資を提案してくる会社こそ「社外CFO」を入れるべき理由とは?

関連記事(ぜひ):【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」――元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?

銀行が「10億円規模の融資」をどう位置づけているか

銀行融資の「裏技」とは?見えない信頼づくりが実はカギ

まず知っていただきたいのは、10億円は銀行にとっても大きな勝負額だということです。

  • 数千万円の融資 → 支店長決裁でスピード感あり
  • 1〜3億円の融資 → 本部審査部に回るが、案件によっては即決済もあり
  • 10億円規模の融資 → 原則として「役員決裁」もしくは更に上の「役員会案件」。頭取・副頭取・取締役の合議で可否が決まることも。

つまり、「担当者や支店長を説得する」レベルを遥かに超え、銀行全体を動かす案件になります。

この段階で重要になるのは、銀行が“説明責任を果たせる”材料をこちらが用意できているかです。

経営者は「自分が借りたい金額を説明する」のではなく、銀行が役員会で説明しやすい資料とストーリーを作る必要があります。

過去の関連記事:【警告】銀行が“絶対に”聞きたくない社長の言動5選!|銀行審査・注意してください

なぜ10億円の融資調達は「協調融資」が前提なのか

「節税すると融資を受けにくい」は本当なのか?

大企業でなければ、10億円を1つの銀行でまるごと貸すケースは稀です。

実際には 複数銀行でリスクを分担する協調融資 が王道となります。

  • 例:(福岡地場の中堅企業の場合)福岡銀行5億円+西日本シティ銀行3億円+商工中金2億円
  • メリット:銀行側のリスク分散、企業側の資金調達安定化
  • デメリット:資料作成・調整の手間が2倍以上

さらに規模によってはシンジケートローンも選択肢となりますが、手数料負担や契約条件のハードさから中堅企業には負担が重い場合も。

ここで大事なのは「どの銀行を軸に据えて、どう組み合わせるか」です。

経験上、地銀1行(メインバンク)を軸にしつつ、商工中金・メガバンクを巻き込む形が最も成功しやすいです。

関連記事:【元銀行員が本音解説】内部留保って悪なの?よくある誤解と経営者のリアルな本音

銀行の本部融資審査で必ず見られる数字

税理士やコンサルに任せきりで大丈夫?助言の質が資金調達を左右する

10億円融資を検討する審査官が、まず赤ペンを入れるのは次の3点です。

  1. DSCR(債務返済余裕倍率)
  2. 実態自己資本比率
  3. プロジェクト収益性(EBITDA)
    • 特に不動産・倉庫・製造設備投資では「何年で回収できるか」を数字で検証
    • 私が審査部にいた頃、10億円超案件では特に細かく検証していました

この3点を押さえていない事業計画書は、正直「読む価値なし」と切り捨てられます。

✅ 詳しく知りたい方は当社YouTubeチャンネルでも解説中! 📺【元銀行審査官ムラマツ|銀行攻略ラボ】

参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由

【10億円融資】経営者の説明が9割を決める?

節税&大口融資の両立を図るためのポイント

ここで誤解が多いのですが、融資は資料だけで決まるわけではありません

10億円規模になると、最終的には「経営者がどれだけ腹落ちする説明をできるか」が決め手とも言えます。

  • 数字の根拠を自ら語れるか
  • 逆質問に対して即答できるか
  • 「もし計画通りにいかなかった場合の次の一手」を準備しているか

私の経験上、同じ財務内容でも社長の説明力次第で可否が180度変わるケースがありました。
銀行員は「人」に融資する、という原則は10億円でも変わらないのです。

おすすめ記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」ーー元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?

10億円規模・融資成功の事例

コンサルと成果を出すために企業側がすべきこと

※以下はあくまで参考事例です。実際の結果を保証するものではありません。

ケース1|物流倉庫建設(総投資12億円/借入10億円)

  • 主力銀行を幹事に据え、商工中金・地銀を巻き込む協調融資を実現
  • ポイントは「荷主契約の仮契約を先に結んだ」こと
  • 銀行は「返済原資が見える」ことで一気に融資姿勢が前向きに

ケース2|製造業の大型設備投資(借入8億円→10億円へ増額交渉)

  • 製造業で10億円設備投資 → 新ラインを導入する計画。
  • 初回審査:売上予測が“想定ベース”で弱いと指摘
  • 改善策:主要取引先2社から「長期供給契約(年間○億円)」の書面を取得し、計画に織り込み直した
  • 結果:返済原資の信頼性が高まり、10億円フル承認
  • 銀行にとって「売上が確約されている=返済根拠が固い」ことは最大の安心材料です。

これらの案件に共通していたのは、銀行が安心できる「数字の裏付け」を準備していたことです。

【10億円融資】経営者が取るべき具体的アクション

融資コンサル会社の得意分野を見極める重要性
  • 事業計画書を“銀行仕様”に作り直す
    売上高の夢物語ではなく、DSCR・EBITDAベースで整合性を重視
  • 資金繰りシミュレーションを最低3パターン用意
    楽観・中立・悲観の3ケースで「返済余力の幅」を提示
  • 幹事銀行を早めに決める
    複数行同時打診ではなく、まず「旗振り役」を決めるのが鉄則
  • 銀行攻略の専門家を入れる
    短期的には「よりスムーズに、より好条件の調達」を果たせる可能性を上げる
    中長期的には「伴走可能な専門家」であればなお安心

まとめ|10億円規模の融資調達は戦略次第で突破できる

10億円融資は、銀行にとっても企業にとっても大勝負の案件です。

  • 支店レベルでは決まらない
  • 協調融資が前提
  • 銀行は「返済能力と一貫性」を最重視
  • 経営者の説明力が結果を左右する

成功させるためには「銀行内部の視点で戦略を立てること」が不可欠です。


ホンマル株式会社では、

  • 銀行本部審査で2000社以上を見てきた経験を持つ代表が、
  • 10億円規模の融資調達を銀行目線で設計・資料作成・交渉支援いたします。

「うちでも10億円融資は可能か?」と感じられた方は、ぜひ下記フォームからご相談ください。

👉 お問い合わせ:大口融資調達サポート|ホンマル株式会社

参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説

  • ✅ 対応地域:全国OK(Zoom・電話対応可能)
  • ✅ 推奨の対象企業:年商3億円以上、設立5年以上の中小企業さま(もちろん年商規模が3億円以下でも可能です)
  • ✅ 得意分野:運送業・建設業・製造業・卸売業・不動産業 etc.

また、弊社では一緒に働く仲間も募集しています。
銀行員経験のある方は、ぜひ他の記事やYouTube動画もチェックしていただき、ご連絡いただけると嬉しいです。

この記事を書いた人

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代表コンサルタント・村松

銀行・本部審査部門にて2,000社以上の企業融資に携わってきたキャリアを持つ代表コンサルタント。銀行の融資営業・審査業務の両方の実務経験。豊富な知見を活かし「お客様の結果(銀行からの融資調達)にコミット」できます。経営者の方々の、事業繁栄につながる情報を発信します。