
日産「5,000億円特損」から学ぶ!赤字でも銀行から信頼される説明の仕方【日経新聞解説】
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こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。
私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は中小企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、社外CFOを行っています。
今日取り上げるのは、日産が5,000億円規模の特別損失を計上するかもしれないというニュースです(出典:日経新聞 2025年9月10日、リンクはこちら)。
「そんな大企業の話、うちには関係ないでしょ?」と思うかもしれません。
でも実は、中小企業でも「赤字決算」や「特別損失(特損)」は普通に起こり得ます。
そしてそのとき、銀行への説明を間違えると、次の融資に悪影響が出てしまうんです。
今日は日産のケースを例に、赤字や特損が出たときに銀行へどう説明すれば信頼を保てるのか、元銀行員の目線で解説します。
- 日産が最大5000億円の特損を計上するかもしれないニュースが出ました。
- 「大企業だから関係ない」と思うかもしれませんが、中小企業も赤字や損失に直面することはよくあります。
- 銀行にどう説明するかで、融資の可否は大きく変わります。
- 元銀行審査官として2,000社以上を見てきた経験から「素人でも分かる融資の説明ポイント」を解説します。
参考:日経新聞「日産に迫る巨額特損 株価一人負け、剣が峰のリストラと財務再建」
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日産に起きていること(ざっくり解説)

日産は今、大きな決断を迫られています。
- 国内2つの工場を閉鎖
- 2万人の人員削減
- 横浜の本社ビルも売却検討
- その結果、最大5000億円の「特損(特別損失)」が出る見込み
さらに、2025年4〜6月のキャッシュフローはマイナス3905億円。株価も他の自動車メーカーと比べて大きく出遅れています。
一言でいうと「大胆なリストラを進めているが、その反動で巨額の損失が一気に出る」という状況です。
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日産が行う「特損」ってなに?

「特損(特別損失)」と聞くと難しく感じるかもしれません。
簡単に言うと、「普段の商売とは関係ない特別なマイナス」 のことです。
たとえば
- 古い工場を閉鎖して片付け費用が出る
- 在庫が売れなくなってまとめて処分する
- 人員整理で退職金を一気に払う
こうした「臨時の大きな支出」をまとめて「特損」と呼びます。
ポイントは、特損が出ても「事業そのものがダメ」というわけではないということ。
むしろ、将来の利益のために一時的に痛みを取ることも多いのです。
関連記事:【元銀行員が本音解説】内部留保って悪なの?よくある誤解と経営者のリアルな本音
銀行は特損や赤字をどう見るのか?

銀行が見ているのは「額の大きさ」ではありません。大事なのは次の3点です。
- なぜ特損が出たのか(原因)
→ 一時的なのか、毎年出るような構造的な問題なのか。 - 今後どう改善するのか(再発防止策・再建策)
→ 工場閉鎖で固定費が減るのか、在庫処理で収益性が改善するのか。 - 返済できる力はあるか(キャッシュフロー)
→ 損失を出した後でも、資金繰りに問題がないか。
要するに、「損失=即アウト」ではなく、「その後どうなるのか」が一番大事」 なのです。
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参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由
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中小企業にありがちな「特損」ケース

実は中小企業でもよくある話です。
- 1. 災害による損害
- 地震や水害などで工場・倉庫・店舗の資産が壊れた場合、修繕費や廃棄費用が発生
- 保険でカバーしきれない分は「災害による損失」として特損計上
- 2. 投資失敗による損失
- 子会社や関連会社への投資がうまくいかず、回収不能と判断されたときに「関係会社株式評価損」などを特損に計上
- 3. 不正や横領の発覚
- 社員の横領や不正会計が発覚した場合、その損害額は「特別損失」として計上
- 規模は小さくても、銀行からの信頼に直結する事例です。
- 4. 固定資産の減損処理
- 店舗や工場の採算が取れず「今後のキャッシュフローで帳簿価額を回収できない」と判断されると「減損損失」を計上
- たとえば地方の店舗を閉鎖する場合などが典型
これらも立派な「特損」です。
「赤字を出したら銀行はもう貸してくれないのでは?」と不安になる経営者も多いですが、実は説明の仕方次第で大きく変わります。
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銀行に特損をどう説明するか?4つのポイント

- 原因をはっきり伝える
「在庫が売れなかったので一括処分しました」など、隠さず話す。 - 改善策を数字で示す
「固定費を20%削減」「粗利率を2ポイント改善見込み」など。 - 資金繰り表を準備する
損失後も返済可能なことを、キャッシュフローで説明。 - 経営者の姿勢を見せる
嘘をつかず、正面から話す。これが信頼につながります。
銀行員も「赤字はあるが、将来は改善できる」と納得できれば、融資を止めるとは限りません。
ケーススタディ|説明の工夫で変わる銀行評価

ケース1|災害で倉庫が被災した製造業
大雨で倉庫が浸水し、在庫の一部が廃棄処分に。
保険適用外の分を「災害損失」として特損計上。
銀行には「倉庫の補修済み」「今後はハザードマップを踏まえた立地選定」など、再発防止策と事業継続性を説明することで、融資継続が認められた。
ケース2|投資失敗が明らかになった中小不動産会社
関連会社に出資していたが、事業が立ち行かず回収不能に。
「関係会社株式評価損」として特損計上。
銀行には「関連会社への追加投資は行わない方針」「本業の賃貸事業のキャッシュフローは安定」と説明。
本業の収益性を強調することで信頼を維持。
ケース3|店舗を閉鎖した小売業
売上不振の店舗を閉鎖し、内装撤去費や敷金の一部没収で損失発生。
「店舗閉鎖損失」として特損計上。
銀行には「不採算店舗を切り離し、残り店舗の利益率は改善」「今後はネット販売を強化」と説明。
損失の先にある改善効果を示したことで評価を得た。
ポイント
損失の事実を隠さず、再発防止と改善効果を数字で示すのが最重要。
特損が出ても「臨時であること」「将来の改善につながること」を筋道立てて説明すれば、銀行は前向きに評価する。
日産の再建と中小企業の未来を重ねる

日産は今、痛みを伴う改革を進めています。
株価は低迷し、将来戦略も不透明ですが、工場閉鎖や本社売却といった思い切った一手で体制立て直しを図ろうとしています。
中小企業も同じ。
赤字や特損は避けられないこともありますが、「どう立て直すか」 を示すことで銀行の信頼は守れます。
まとめ|ホンマル株式会社ができること

当社では
- 銀行向けの決算説明資料の作成
- 損失後の改善計画の整理
- 資金繰り表やシナリオ分析の支援
- 経営者の「説明のリハーサル」
上記のサポートを行います。
銀行と「どう話すか」で結果は大きく変わります。
まとめ
- 特損や赤字は、必ずしも融資にマイナスとは限らない。
- 銀行は「原因・改善策・返済能力」を重視する。
- 中小企業経営者も、説明次第で信頼を守れる。
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