融資が通った。その後の経営まで考えていますか?

融資が通った。その後の経営まで考えていますか?

資金調達をゴールにしない財務支援

銀行員時代も、独立して企業側の支援をするようになってからも、何度も見てきた光景があります。

「融資が通りました。本当によかったです」

もちろん、資金調達は会社にとって大きな出来事です。

必要な資金を確保できることで、新しい設備を導入できたり、新しい店舗を出せたり、人を採用できたり、次の成長に向けた一歩を踏み出すことができます。

私自身、銀行融資の支援をしている以上、融資が実行されたときは素直にうれしいです。

ただ、それと同時に最近は、

「ここからが本番だな」

と思うことが増えました。

融資が通ることと、経営がうまくいくことは別の話

銀行から融資を受けられたということは、その事業計画や返済可能性について、一定の評価を受けたということでもあります。

しかし当然ながら、融資が実行されたからといって、その投資が必ず成功するわけではありません。

たとえば、新しい設備を入れるために1億円を借りたとします。

その設備によって、

  • 売上はいくら増えるのか
  • 粗利益はいくら増えるのか
  • 人件費や光熱費などの固定費はいくら増えるのか
  • 投資した資金を何年で回収できるのか
  • 借入金を返済しながら、手元資金をどの程度残せるのか

こうしたことは、融資が実行された後も継続して見ていかなければなりません。

むしろ重要なのは、実際の数字が計画どおりに動いているかを確認し、計画との差が出たときに早めに軌道修正することです。

資金調達は、経営のゴールではありません。

新しい経営判断を実行するための「スタート地点」だと私は考えています。

銀行も、融資した後の会社を見ている

銀行との付き合いも、融資が実行されたら終わりではありません。

銀行員は融資をした後も、

「計画どおり売上は伸びているか」

「利益は確保できているか」

「資金繰りに問題はないか」

「次の資金需要はいつ発生しそうか」

といったことを見ています。

特に、大きな設備投資や新規事業では、計画と実績の差が出ること自体は珍しくありません。

大切なのは、差が出たことそのものではなく、

「なぜ差が出たのか」

「今後どうするのか」

を把握し、説明できる状態にしておくことです。

銀行員時代、多くの企業を見てきましたが、銀行との関係が良い会社ほど、決して「数字がいつも完璧」だったわけではありません。

むしろ、

「今こういう状況です」

「計画との差はここです」

「そのため、こういう対策をしています」

と、良いときも悪いときも状況をきちんと共有していました。

銀行との信頼関係は、融資を申し込むときだけにつくるものではありません。

日頃の情報共有や、融資後の経営管理の積み重ねによってつくられていくものだと思います。

「借りられるか」だけではなく、「借りるべきか」を考える

融資の相談を受けていると、

「この金額は借りられますか?」

と聞かれることがあります。

もちろん、それを考えることも私の仕事の一つです。

ただ、私はそれ以上に、

「そもそも、この金額を借りるべきなのか」

を一緒に考えることが大切だと思っています。

銀行が5,000万円貸してくれるからといって、5,000万円借りることが正しいとは限りません。

反対に、借入金が増えることを怖がりすぎて、本来するべき投資を見送ってしまえば、会社の成長機会を失うこともあります。

大切なのは、借金が多いか少ないかということではありません。

その資金を何に使い、どれだけのリターンを生み、どのように返済していくのか。

そこまで考えて、初めて「借りるべきか」という判断ができます。

だから私は、融資の可否だけを見るのではなく、

「この投資は本当にやるべきなのか」

「今やるべきなのか」

「もう少し小さく始める方法はないか」

「自己資金と借入のバランスは適切か」

「想定どおりにいかなかった場合でも会社は耐えられるか」

といったことまで、一緒に考えるようにしています。

資金調達の先には、必ず次の経営判断がある

会社を経営していると、資金に関する意思決定は一度で終わりません。

設備投資をした後には、その投資をどう回収するかという課題が生まれます。

新しい店舗を出した後には、その店舗を継続するのか、さらに出店するのかという判断が必要になります。

会社が成長すれば、運転資金も増えていきます。

人を採用すれば、人件費も増えます。

売上が伸びているのに、なぜか資金繰りが苦しくなる会社もあります。

こうした場面では、決算書だけを見ていても十分ではありません。

将来の資金繰りを予測しながら、

「この先、何が起きそうなのか」

を先回りして考える必要があります。

私は、この「事前の一手」が財務の大きな役割だと考えています。

問題が起きてから対応するのではなく、起きる前に考え、準備する。

その積み重ねが、経営の選択肢を増やします。

ホンマルが目指しているのは、融資を通す会社ではありません

ホンマル株式会社では、銀行融資や資金調達の支援を行っています。

ただ、私たちが目指しているのは、単に「融資を通す会社」ではありません。

融資を受ける前には、

「本当にその投資をするべきなのか」

を一緒に考える。

融資を受けるときには、

「銀行にどう伝えるべきなのか」

を考える。

そして融資を受けた後には、

「計画どおり進んでいるのか」

「次にどんな経営判断が必要になるのか」

を考える。

そこまで含めて、経営者の意思決定を財務面から支える会社でありたいと思っています。

私は銀行員として、多くの企業の融資や審査に関わってきました。

現在は企業側の立場から、経営者と一緒に銀行と向き合っています。

両方の立場を経験したからこそ、強く感じることがあります。

銀行融資は、会社を成長させるための非常に有効な手段です。

しかし、それ自体が目的ではありません。

大切なのは、その資金を使って会社をどう良くしていくかです。

だからこそ私は、

「融資が通りました。よかったですね」

だけで終わるのではなく、

その先の経営まで一緒に考えられる財務パートナーでありたい。

そう考えています。


ホンマル株式会社では、銀行融資・資金調達だけでなく、資金繰り、投資判断、銀行との交渉、事業計画、経営管理など、経営者の重要な意思決定を財務面から支援しています。

「資金調達だけでなく、その後の経営まで相談したい」

という方は、サービス内容もあわせてご覧ください。

ホンマル株式会社
代表取締役 村松 広輝

当社の発信を覗いてみてください

一度話してみたい方へ

お話ししてみたい。そんな方は、下記から気軽にご連絡ください。

※関連記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」ーー元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?

次の大きな意思決定を、
社長一人で抱えないために。

現在の財務課題、金融機関取引、今後の投資予定を確認し、
ホンマルでお力になれる場合に適切な支援をご案内します。

初回相談無料 / オンライン全国対応

この記事を書いた人

アバター画像

代表取締役|村松 広輝

大手地方銀行に約10年間勤務。営業店で法人融資を経験した後、本部の融資審査部門で累計2,000社超の融資審査に携わる。
現在はホンマル株式会社代表として、大型設備投資、M&A、新規事業などに伴う資金調達から、資金繰り・予実管理・銀行対応などの財務支援までを行っています。
銀行がどこを見て、何を判断しているのか。
銀行側の視点と企業側の実務の両方から、経営者の意思決定に役立つ情報を発信しています。