
ネット銀行が「メインバンク」を狙う時代に?中小企業は融資をどこで受けるべき?【日経新聞解説】
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※本記事は日経新聞(リンクはこちら)の報道を参考に執筆しています。
こんにちは、ホンマル株式会社の代表・村松です。
私は元銀行の本部審査部門で2,000社以上の融資審査に携わった後、現在は中小企業向けに融資調達や財務戦略のサポート、社外CFOを行っています。
今日のテーマは「ネット銀行とメインバンク」について。
※本記事の内容は、日本経済新聞(2025年9月9日付 朝刊)「メイン銀行の座、ネット銀が狙う|今年3月に7900社、前年比41%増 利便性と経済圏を武器に」より参照しています。日経新聞の元記事はこちらです
- ネット銀行をメインバンクにする企業は7,903社(前年比41%増)と急増中
- ただし、融資力は限定的。特に プロパー融資を狙う企業はネット銀行では不十分
- 銀行が重視するのは「日常取引の蓄積」と「人と人との関係」
- メインバンクにすべきは地方銀行・信用金庫。メガバンクは中堅〜大企業向け
- ネット銀行がフィットするのは、融資調達の必要がない企業や個人事業主に限られる
元銀行員×融資審査の中枢にて2,000社以上の企業融資を担当してきたプロが、融資調達のサポートします。
特に1,000万円〜数億円規模の高額融資調達に強みを持ち、豊富な経験と知識を活かして、銀行との交渉や資料作成をサポート。
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ネット銀行が法人分野で存在感を増している

日経新聞によると、2025年3月末時点でネット銀行をメインバンクとする企業は7,903社に達し、前年から41%も増加しました。
2013年からの12年間で12倍という伸び率です。
背景にあるのは、
- 送金手数料の安さ
- オンライン完結の利便性
- 楽天・PayPay・ドコモといった経済圏との連携
といった強みです。
確かに、月数百件の振込がある企業にとっては、振込手数料の差だけで年間数十万円のコスト削減になることも珍しくありません。
これは非常に魅力的です。
関連記事:銀行がプロパー融資を提案してくる会社こそ「社外CFO」を入れるべき理由とは?
関連記事:【経営者必見】「事前の一手は、事後の百手に勝る」――元銀行員が語る“経営判断の質”を高める思考とは?
しかし融資取引の「メインバンク」は別の話

ここからが重要です。
中小企業が 「メインバンク」 をどう選ぶかは、単なる手数料や便利さだけで決めてよい問題ではありません。
特に、設備投資や運転資金など数千万円〜数億円の融資を必要とする会社にとって、メインバンクは「地銀や信用金庫」であるべきだと私は考えています。
なぜなら・・・
1. プロパー融資は「人と人の関係」で決まる
私は銀行本部の審査部で、2,000社以上の審査に関わってきました。
その経験から言えるのは、プロパー融資(保証協会なしの融資)は「定量的な数字」だけでなく、
- その会社とどれだけ取引してきたか
- 日常の入出金を通じてどれだけ実態を把握できているか
- 支店長や担当者が経営者をどう評価しているか
こうした「定性的な要素」で決まる部分が非常に大きいということです。
ネット銀行には店舗も担当者もいません。
確率的なスコアリング融資や、保証協会付きの融資なら扱えるかもしれませんが、本当に企業の成長を支えるプロパー融資は難しいのが現実です。
2. 預金取引の蓄積が信頼になる
銀行は「その会社の資金の流れ」を重視します。
売上入金、仕入支払い、給与振込、税金や社会保険料の支払い・・・
こうした日常取引がメインバンクに集中しているからこそ、銀行は「この会社の資金繰りは安定している」「保全は効いている」と判断できるのです。
つまり、
「決済はネット銀行、融資は地銀」
という都合の良い使い分けは、むしろ逆効果になる可能性があります。
3. メインバンク戦略の本質
- 年商1億円以上の会社で、今後も融資調達が必要なら、メインバンクは地銀や信金にすべきです。
- 中堅〜大企業ならメガバンクをメインにするのも現実的です。
- 一方、融資が不要な小規模事業や個人事業主であれば、ネット銀行をメインにして効率性を追求する選択肢もあります。
関連記事:【元銀行員が本音解説】内部留保って悪なの?よくある誤解と経営者のリアルな本音
中小企業がやるべきこと

01|自社の立ち位置を整理する
- 今後も融資が必要か?
- どのくらいの規模の資金を調達するのか?
- 現在の銀行との関係性はどうか?
02|メインバンクを一本化する
- 「融資を受けたい銀行」に日常取引を集中させる
- 預金・入出金・振込・給与・税金支払いをまとめることで、銀行の安心感が増す
※あくまで預金取引はメインバンクに半分以上集約がおすすめ。融資取引も含めて2〜5行程度の複数銀行取引をオススメしています。
※参考記事1: 複数の金融機関から融資を受けることはできる?協調融資のメリット・デメリットまとめ!
※参考記事2:複数銀行に同時打診して好条件を引き出す!事業性融資の「攻略法」と「失敗回避ポイント」
03|サブ口座の位置づけを考える
- ネット銀行は「決済効率化の補助口座」として活用
- ただし、メインの資金の流れはあくまで地銀・信金に残す
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参考記事:他人と比べない経営が強い会社をつくる|“ひたすら自分に集中する”経営者が成功する理由
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ホンマル株式会社の役割|地銀・信金との関係を強固に

当社は「大口融資調達サポート」と「社外CFOサービス」を柱にしています。
- 銀行に伝わる決算説明資料を作り、数字とストーリーで説得力を持たせる
- 資金繰り表や事業計画を銀行目線で整備し、プロパー融資の可能性を高める
- 銀行との関係構築の方法をアドバイスし、経営者が孤立しないよう伴走する
「ネット銀行の便利さ」ももちろん理解しています。
ただし、「本当に会社を成長させたい経営者は、地銀・信金との関係をメインに据えるべき」
これが私の銀行審査官としての経験からの結論です。
おすすめ記事:【2025年最新】銀行審査は“ここで決まる”!融資を通す3つのポイントを元審査官が公開
まとめ|ネットバンクではなく、地銀・信金と関係を強固に

- ネット銀行は便利で効率的。しかし「メインバンク」としてはまだ不十分。
- 融資を必要とする中小企業は、地銀・信金に取引を集中させるべき。
- ネット銀行を活用していいのは、融資が不要な小規模事業や個人事業主に限られる。
- 会社の未来を支える資金調達の基盤は、やはり地場の銀行との関係性にある。
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参考記事:ホンマル株式会社はどんな会社? 銀行融資調達サポートと月額制「社外CFO」の実力を徹底解説
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